ホソチビオオキノコ / Triplax japonica Crotch, 1873

体長 4~4.5㎜
分布 北海道,本州,四国,九州、対馬,下甑島
食草・寄生植物等 ヒラタケなどのキノコ類。幼虫もキノコを食べて育つ。
成虫出現期 6~8月
オオキノコの仲間では比較的よく見かけます。
ホソチビオオキノコの随伴菌類
参考:第133回日本森林学会大会:抄録
ホソチビオオキノコ(Triplax japonica)は、オオキノコムシ科に属する菌食性の甲虫であり、主にヒラタケ類の子実体を加害する。オオキノコムシ科の甲虫は多様な酵母を随伴することが報告されており、このような昆虫-菌類の相互関係の解明は、森林生態系の多様性評価に重要であると考えられる。しかし、日本国内の菌食性甲虫と菌類の随伴関係はこれまで調べられていない。そこで本研究は、ホソチビオオキノコの随伴菌類を明らかにすることを目的に調査を行った。茨城県内2地点と愛知県内1地点において、メッシュ袋に市販のエリンギを入れたトラップを設置し、そこに集まってきた成虫個体群を捕獲し、さらに別の茨城県内1地点において、自然発生したヒラタケ類の子実体を加害していた成虫個体群を捕獲し、それらの体表から菌類の分離を行った。その結果、酵母類7種と糸状菌類11属が分離され、酵母類ではSuhomyces属2種の出現頻度が比較的高く、糸状菌類ではCladosporium属菌とPenicillium属菌の出現頻度が高かった。このことから、ホソチビオオキノコは多様な菌類を随伴していることが示唆された。今後、これら随伴菌類の機能的な役割などについても調査する必要がある。
ホソチビオオキノコの随伴菌類
安藤 裕萌, 山下 聡, 升屋 勇人 からの引用