「定家」という能があります。
男と女が忍ぶ恋に落ちる。よくある話ですが、女はあっけなく亡くなり、忘れきれない男の心が「葛」となって、女の墓にからみつき、離れない。
一人の僧が雨宿りをしていると、その女の霊が現れて、回向を頼み、舞をまって、また、墓の中へ戻っていく・・葛に抱きしめられた墓の中へ・・・
定家は「藤原の定家」、新古今和歌集の歌人で、女は式子内親王。
ここだけを見れば、定家の歌は、そんなのばかりか・・・と誤解を受けそうですが、そん事はありません。
学校の教科書に出てくるような優れた歌が、ごく普通に沢山残っています。
歌は短いですから、できれば、シングルモルトをロックで、しみじみと感傷してみる夜もあってもいいかもしれません。
もっとも、ロートルのように、感傷の前に眠ってしまうかもしれませんが、それはそれで良いものだと思います。
そんな能になるような感情の濃い(恋い)定家の和歌集を親友が電子書籍化したので紹介します。
>> やまとうえeブックス