今月は、これで2回目の新刊出版となります。
沖縄の歌人・・って、意外に思われる方もいるでしょうが、もちろん、私もその一人ですが、沖縄において、最後で最高の歌人である「宜野湾朝保」の家集である「松風集」の復刻版と、宜野湾朝保を含めた、「琉球の五偉人」の復刻版です。
詳しくはいつものように、やまとうたeブックス、さらに、やまとうたblogもご覧ください。
特に、琉球の五偉人は、薩摩の時代から、廃藩置県により鹿児島になる辺りの歴史に関する記述が、面白いと思います。もちろん、遡っての、日本や今の中国との関係・・つまりは外交史を知る事も出来ます。
ところで、松風集の中で「蛍」が1つ、「水邊蛍」として4つの歌がありますが、沖縄は実は蛍が美しいところであり、新種の水生蛍が1994年に久米島で発見されました。ちなみに日本には54種の蛍が生息し、沖縄地域としは、約数、本島は7種とされています。
「蛍」としての歌が1つにもかかわらず、「水邊蛍」として4つある事から勝手に想像すると、もしかすると、蛍の幼生が光るの見て・・・当時は、今の沖縄よりも数億倍、蛍が多かった・・かもしれません。
蛍と環境とはリンクする点が多いのですが、過去の沖縄での森林伐採の酷さは「琉球の五偉人」にも少し記されています。余談ながら、「島」と言えば、「海」の環境ばかり注目されますが、島の森林は西表島以外は、あまり注目されません。沖縄本島の北部や、名護から船で行く、人口、千人程度の伊平屋島のダム開発はちょっと驚きでした。少なくとも、偶然、伊平屋島での工事現場を見た無責任な旅行者の立場からは、周辺道路の開発を含め、環境破壊と、その効果とのバランスには理解できませんでした。ダムがなければ、生息できない、特に珍しくもない水鳥が環境の指標?は笑止でもあります。それより30頭程度しか確認できていない固有種のイヘヤトカゲモドキの今後が心配です。
話が別の方向へそれて行きましたので、話を戻しますと、私が勝手に思いを巡らして楽しむ分には「宜野湾朝保」の気持ちもあるような・・ないような、感じで、次の歌は好きです。
とふ蛍何をおもひの深けれは水底さへにもえわたるらん
ちなみに、私は、翻復本文の「とふ」のほうが、新修本文の「とぶ」より、いいな・・・・、そういった意味で「松風集」 は、2つの読み方も楽しめます。