メルヘン・童話について

メルヘンという言葉があります。

普段の生活の中では童話や絵本に対し、或いは、ありきたりな写真集のようなものだったり、そういった対象について、メルヘンという言葉を当てはめる事が多いように思います。

そもそも、ドイツ語が来たもので、日本ではいろんな意味で解釈し、使っているようで、それについてとやかく言うつもりも、資格もありません。

個人的には欧州生まれの童話の世界を、メルヘンと考えるようにしています。

たとえば、グリム童話を読み返すとその内容の凄さ、簡単にいえば、人間の業のようなもの・・つまり人間の真実について「どうだ!」と言っているような感じを受けます。

グリム以外の「レオナルド・ダビンチの童話」の中でも

きれいな 色の はねを ひらひら

させて、一ぴきの ちょうが、

くらい、夜空を とんで きました

その目に あかりが 一つ ぽつんと

うつりました ランプでした

ちょうは くるくると わを

えがきながら ランプの まわりを

とびまわりました

においの いい 花を 見つけた

ときのように ちょうは ランプに

ちかづきました

そのとたん!

くらくらっと して ちょうは

ランプの 下に おちました

あしが一ぽん なくなって

はねが すこし こげて しまいました

・・・・・・・・・・・・

ここまで読めば、大人ならこの話の結末はわかると思いますが

これがメルヘンなんですね。

これを読んで子供がどう解釈しようが、大人がしたり顔で、「無知は罪である」なんて言おうが、どうでもいいのです。

言いようのない何かを感じれば、それがメルヘンなんだろうなと思うし、また、西洋的な景色の産物ではある・・と。

つまり、自分にとっては、日本的な意味での童話はメルヘンではない・・・自分にとっても童話は、新美南吉の世界が当てはまりそうです。

余談ながら、昼、花に集まるちょう=蝶 と夜、明かりにあつまる、ちょう=蛾 とは別(もちろん、花への明かりにも集まる場合もありますが、一般的に)の生態なので、花との比較はどうだろう・・と思ってしまいます。

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