ヒゲナガゴマフカミキリは、日本に分布するカミキリムシ科ヒゲナガゴマフカミキリ族の一種です。乳白色と黒色の複雑な斑紋と、体長を大きく上回る非常に長い触角(特にオス)が特徴とされています。ブナやミズナラ、コナラなどの広葉樹の樹皮や地衣類の上によく見られます。



基本情報
| 体長 | 11~24㎜ |
| 分布 | 北海道、奥尻島、本州、隠岐、四国、九州、対馬、屋久島 |
| 食草・寄生植物等 | 各種広葉樹 |
| 成虫出現期 | 7~8月 |
観察と撮影後記
ヒゲナガゴマフカミキリは、日本国内の広葉樹林に広く生息し、特に盛夏から晩夏にかけて成虫の活動が活発になる種です。本種はブナ科をはじめとする多様な広葉樹を寄主とし、樹皮の色彩に紛れる優れた保護色を有しています。
毎年この種を見かけると、「盛夏」の到来を知り、そしてシーズンの終わりの始まりを告げる標準カミキリとなっております。
学名について
ヒゲナガゴマフカミキリ / Palimna liturata (Bates, 1884)
1. 属名: Palimna (パリムナ)
ギリシャ語の「palim- (πάλιν:再び、後ろへ、反対に)」に由来すると考えられます。昆虫の属名においては、特定の形態的特徴が他の属と対照的である場合や、復帰的な形質を持つ場合に用いられることがありますが、本属における具体的な命名意図の記述は原典において希薄です。
2. 種小名: liturata (リトゥラータ)
ラテン語の「lituratus(塗られた、汚された、かすれた)」という形容詞の女性形です。これは本種の体表にある、筆で描いたような、あるいは汚れたような不規則な黒色の斑紋パターンに由来しています。なお、日本に分布するものは基亜種(指名亜種)とされています。
3. 命名者と年号: (Bates, 1884)
命名者: Henry Walter Bates(ヘンリー・ウォルター・ベイツ)。アマゾン探検で知られ、ベイツ型擬態を提唱したイギリスの博物学者です。記載文献: “Longicorn Beetles of Japan.” Journal of the Linnean Society of London, Zoology, 18: 205–262. (1884)
和名の由来
「ヒゲナガ(髭長)」は、特にオスの触角が非常に長いことに由来します。「ゴマフ(胡麻斑)」は、体表の微毛による斑紋がゴマを散らしたように見える(胡麻斑模様)ことに由来する、本族に共通する呼称です。
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