トウキョウトラカミキリは、日本に分布するカミキリムシ科トラカミキリ族の一種です。黒地に淡い黄白色の帯状斑紋を持つことが特徴とされています。コナラなどのブナ科樹木の伐採木や、それらの樹林内にある花などで見られます。



基本情報
| 体長 | 8.1~11.6㎜ |
| 分布 | 本州 |
| 食草・寄生植物等 | コナラ、ミズナラなどのブナ科コナラ属 |
| 成虫出現期 | 4~6月 |
観察と撮影後記
本種は、東京都内で採集された標本を基に記載され、種小名「yedoensis」および和名「トウキョウ」の由来となりました。2015年より東京都内での本種の探索を継続しておりましたが、この度ご案内をいただき念願であった都内での生息を確認・撮影するに至りました。この場をお借りして感謝します。
トウキョウトラカミキリは、日本に分布するカミキリムシ科トラカミキリ族の一種です。黒地に淡い黄白色の帯状斑紋を持つことが特徴とされています。コナラなどのブナ科樹木をホストとし、その伐採木や周囲の花で見られます。東京都で採集された標本から命名された歴史を持つ、地域に縁の深いカミキリムシです。
学名について
トウキョウトラカミキリ / Chlorophorus yedoensis (Kanô, 1933)
1. 属名(および亜属名): Chlorophorus (クロロフォルス) / 亜属名: Chlorophorus (クロロフォルス)
本種は、属名と亜属名が同一である指名亜属に分類されます。そのため、詳細な学名表記は Chlorophorus (Chlorophorus) yedoensis となります。
語源: ギリシャ語を語源とする2つの言葉から成り立っています。
“chloros” (χλωρος): 「緑色」「黄緑色」を意味します。塩素(Chlorine)や葉緑素(Chlorophyll)の語源と共通しています。
“phoros” (-φορος): 「〜を持つもの」「〜を運ぶもの」「〜を帯びるもの」を意味します。
意味: 属全体として「緑色を帯びたもの」を意味します。本属には金属光沢を持つ種や鮮やかな色彩を持つ種が多く含まれることに由来します。
2. 種小名・亜種名: yedoensis (エドエンシス)
語源: 日本の旧地名である「江戸(Yedo)」に、地名に基づく形容詞を作るラテン語の接尾辞 “-ensis” を加えたものです。
意味: 「江戸(東京)産の」という意味になります。
背景: 本種は現在の東京都で採集された標本に基づき新種として記載されました。また、本種は地域による差異が認められず、亜種に分けられていないため、種小名と亜種名が同一となる「指名亜種」のみで構成されています。
3. 命名者と年号: (Kanô, 1933)
命名者: 鹿野 忠雄(かのう ただお)。20世紀前半にアジア各地で活動した日本の高名な昆虫学者であり、博物学者、地理学者、人類学者としても多大な功績を残しました。記載文献: “New and unrecorded Longicorn-beetles from Japan, I.” Kontyû, Tokyo, 7 (3): 130–140. (1933)
和名の由来
学名の種小名 yedoensis(江戸産の)の直訳に基づき、「東京(江戸)」を冠してトウキョウトラカミキリと命名されました。タイプ産地(新種記載の根拠となった標本の産地)が東京であることを明確に示す名称となっています。
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