テツイロハナカミキリ / Encyclops olivacea Bates, 1884

テツイロハナカミキリは、日本に分布するカミキリムシ科ハイイロハナカミキリ族の一種です。和名が示す通り、鈍い金属光沢を放つ「鉄色(てついろ)」の細身な体が特徴とされています。初夏の山地、コゴメウツギ、ミズキなどの花の上に見られます。

テツイロハナカミキリ、自然写真、生態
2016年6月  山梨県北都留郡
テツイロハナカミキリ、自然写真、生態2
2018年6月 山梨県北杜市
テツイロハナカミキリ、自然写真、生態3
2022年5月 山梨県北都留郡

基本情報

体長7~10㎜
分布北海道、本州、四国、九州
食草・寄生植物等各種広葉樹の樹皮
成虫出現期5~7月

観察と撮影後記

本種が含まれるテツイロハナカミキリ属(Encyclops)は、日本と台湾に各1種、中国に2種、極東ロシア地方に3種、そして北米に2種が分布しており、その地理的な広がりは興味深い対象です。鉄色らしく、緑青色~金銅色まで色彩変化があり、花で見られるそうですが、いつか花上での写真と動画を収めたいと思います。

学名について

テツイロハナカミキリ / Encyclops olivacea Bates, 1884

1. 属名:Encyclops (エンシクロプス)

ギリシャ語の “en” (中に) と “kyklops” (円い眼の、サイクロプス) に由来します。これは、本属の個体が持つ複眼の形状や、頭部の構造に由来するものと考えられます。

2. 種小名:olivacea (オリウァケア)

ラテン語で 「オリーブ色の」 を意味する形容詞です。本種の持つ、緑色の中に褐色が混じったような独特の金属光沢を、熟したオリーブの実の色になぞらえた表現です。

3. 命名者と年号:(Bates, 1884)

命名者: Henry Walter Bates(ヘンリー・ウォルター・ベイツ)。19世紀のイギリスの博物学者であり、擬態の一種である「ベイツ型擬態」の提唱者としても知られます。記載文献: “Longicorn Beetles of Japan.” Journal of the Linnean Society of London, Zoology, 18: 205–262. (1884)

和名の由来

体色が酸化した鉄、あるいは「鉄色(てついろ:ごく暗い青緑色)」に似た深い金属光沢を持つハナカミキリであることに由来します。

  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする