スギカミキリ / Semanotus japonicus (Lacordaire,1869)

スギカミキリは、日本に分布するカミキリムシ科スギカミキリ族の一種です。3月〜4月の早春に出現し、現在ではスギなどの人工林で見られます。日中は樹皮の隙間に潜んでいる事が多いようです。

ギカミキリ、自然写真、スギの樹幹1
ギカミキリ、自然写真、スギの樹幹2
22015年5月 東京都町田市

基本情報

体長13.0 ~26.4㎜
分布本州、佐渡、冠島、隠岐、四国、九州、壱岐
食草・寄生植物等スギ、ヒノキ、サワラ
成虫出現期3~5月

観察と撮影後記

本種はスギやヒノキの穿孔性害虫として知られていますが、その分布は植林されたスギ林に強く依存しています。そのため、現在では人工林を歩くことでその姿を目にすることができますが、もしこうした人工的な環境がなければ、野生下では極めて希少な部類に入っていたと推測されます。

また、屋久島には近縁種(あるいは亜種)としてヤクスギカミキリ(Semanotus yakushimanus)が分布しています。こちらは非常に格調高く、原生的な環境に生息しているため、一般的なスギ林で見られる本種とは一線を画す存在で、写真撮影は諦めています。

学名について

スギカミキリ / Semanotus japonicus (Lacordaire, 1869)

1) 属名:Semanotus (セマノタス)

古代ギリシャ語の「sema(σημα:印、標識)」と「noton(νῶτος:背中)」に由来します。これは、本属の昆虫が前胸背板や上翅に特徴的な斑紋(印)を持つことを示唆しています。

2) 種小名:japonicus (ヤポニクス)

ラテン語で「日本の」を意味します。日本から最初に報告された種であることを示しています。

3) 命名者と年号:(Lacordaire, 1869)

Jean Théodore Lacordaire(ジャン・テオドール・ラコルデール):19世紀のベルギーの昆虫学者です。記載文献: Genera des Coléoptères (1869) において記載されました。

和名の由来

主たる寄生植物(食樹)である「スギ(杉)」に由来します。幼虫がスギの形成層を食害することから、古くから林業上の重要害虫としてこの名で呼ばれてきました。

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