スギカミキリは、日本に分布するカミキリムシ科スギカミキリ族の一種です。3月〜4月の早春に出現し、現在ではスギなどの人工林で見られます。日中は樹皮の隙間に潜んでいる事が多いようです。


基本情報
| 体長 | 13.0 ~26.4㎜ |
| 分布 | 本州、佐渡、冠島、隠岐、四国、九州、壱岐 |
| 食草・寄生植物等 | スギ、ヒノキ、サワラ |
| 成虫出現期 | 3~5月 |
観察と撮影後記
本種はスギやヒノキの穿孔性害虫として知られていますが、その分布は植林されたスギ林に強く依存しています。そのため、現在では人工林を歩くことでその姿を目にすることができますが、もしこうした人工的な環境がなければ、野生下では極めて希少な部類に入っていたと推測されます。
また、屋久島には近縁種(あるいは亜種)としてヤクスギカミキリ(Semanotus yakushimanus)が分布しています。こちらは非常に格調高く、原生的な環境に生息しているため、一般的なスギ林で見られる本種とは一線を画す存在で、写真撮影は諦めています。
学名について
スギカミキリ / Semanotus japonicus (Lacordaire, 1869)
1) 属名:Semanotus (セマノタス)
古代ギリシャ語の「sema(σημα:印、標識)」と「noton(νῶτος:背中)」に由来します。これは、本属の昆虫が前胸背板や上翅に特徴的な斑紋(印)を持つことを示唆しています。
2) 種小名:japonicus (ヤポニクス)
ラテン語で「日本の」を意味します。日本から最初に報告された種であることを示しています。
3) 命名者と年号:(Lacordaire, 1869)
Jean Théodore Lacordaire(ジャン・テオドール・ラコルデール):19世紀のベルギーの昆虫学者です。記載文献: Genera des Coléoptères (1869) において記載されました。
和名の由来
主たる寄生植物(食樹)である「スギ(杉)」に由来します。幼虫がスギの形成層を食害することから、古くから林業上の重要害虫としてこの名で呼ばれてきました。
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