シロスジカミキリは、フトカミキリ亜科ヒゲナガカミキリ族に分類される日本最大級のカミキリムシです。前胸背板の1対の橙色斑と翅鞘の黄白色の縦条が特徴で、本州から九州にかけて分布します。クリやイチジクなどの生木をホストとし、夜間は樹液に集まる生態も観察されます。.


基本情報
| 体長 | 40~55㎜ |
| 分布 | 本州、猿島、淡路島、宮島、佐渡、隠岐、四国、沖ノ島(高知県)、九州、対馬、壱岐、平戸島、五島列島(平島、中通島、福江島)、天草諸島、下甑島、奄美諸島(奄美大島、徳之島) |
| 食草・寄生植物等 | ヤナギ科、クルミ科、カバノキ科、ブナ科、ニレ科、クワ科、バラ科などの各種の広葉樹 |
| 成虫出現期 | 5~8月 |
観察と撮影後記
子供の頃に庭のイチジクの木に本種が住み着いており、枯れ始めた木を切り倒して材採集(室内での羽化・飼育)を経験した初めてのカミキリムシです。
成虫は夜行性が強く、灯火に飛来したり、夜間にクリやクヌギの樹液を訪れたりする姿がよく記録されています
学名について
シロスジカミキリ / Batocera lineolata Chevrolat, 1852
1) 属名:Batocera (バトセラ)
この属名は、ギリシャ語の2つの言葉から成り立っています。
“batos” (βάτος):「キイチゴ」「茨(いばら)」などの棘のある低木を意味します。
“keras” (κέρας):「角(つの)」「触角」を意味します。
属全体として、触角の節に棘を持つ、あるいは棘のように鋭い外見を形容したものと解釈されます。
2) 種小名:lineolata (リネオラータ)
こちらはラテン語に由来します。
“lineola“:ラテン語で「細い線」「筋」を意味します。
“-ata“:「~を備えた」という接尾辞です。
つまり、「細い筋模様を持つ」という意味であり、本種の最大の外見的特徴である翅鞘の白い縦条斑を指しています。
3) 命名者と年号:Chevrolat, 1852
Auguste Chevrolat:19世紀のフランスの昆虫学者です。生涯で数千種もの甲虫を記載したことで知られ、特にカミキリムシ科やゾウムシ科の研究に大きく貢献しました。記載文献:Chevrolat, L. A. A. (1852) “Description de coléoptères nouveaux.” Revue et Magasin de Zoologie Pure et Appliquée.
和名の由来
「シロスジ(白条)」は、翅鞘(羽の部分)に並ぶ黄白色の縦方向に走る斑紋(スジ)に由来します。羽化した直後は鮮やかな黄色みを帯びていますが、標本や時間経過とともに白っぽく見えることから、この名が定着しています。
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