シロオビチビヒラタカミキリ / Poecilium albicinctum Bates, 1873

シロオビチビヒラタカミキリは、日本に分布するカミキリムシ科カミキリ亜科スギカミキリ族の一種です。小型で著しく扁平な体型をしており、鞘翅にある1本の白い横帯が特徴とされています。主な生息場所はブドウ類、サルナシ、フジなどつる性植物の枯死枝に集まる習性があります。

シロオビチビヒラタカミキリの自然写真。広葉樹の枯死枝の上
2018年5月 山梨県南都留郡鳴沢村

基本情報

スクロールできます
体長5.5~8.0㎜
分布北海道、本州、伊豆諸島(大島、神津島)、佐渡島、隠岐、四国、九州、対馬、五島列島(中道通)、種子島、屋久島
食草・寄生植物等ブドウ類、サルナシ、フジなどつる性植物が多く知られている。
成虫出現期5~6月

観察と撮影後記

体長が小さいうえに非常に素早く動き回る性質があるため、肉眼で捉えるには苦労します。ノブドウなどのブドウ類や、サルナシ、フジなどの枯れ蔓に集まります。 春(5月〜6月頃)に現れ、複数の個体が枯れ蔓に集まって交尾や産卵を行う姿がよく観察されます。アカネカミキリなどと一緒に見つかることも多いです。 ただし、撮影の機会は今のところありません。

学名について

シロオビチビヒラタカミキリ / Poecilium albicinctum Bates, 1873

1) 属名:Poecilium (ポエキリウム)

ギリシャ語の “poikilos” (ποικίλος) に由来します。この言葉は「斑点のある」「多彩な」「変化に富んだ」といった意味を持ちます。本属の昆虫が持つ色彩や斑紋のパターンに由来するものと解釈されます。

※一部の分類体系では Phymatodes 属の亜属として扱われる場合もあります。

2) 種小名:albicinctum (アルビキンクトゥム)

ラテン語の2つの言葉が組み合わされています。

albus“:「白い」
cinctus“:「帯を締めた」「囲まれた」

つまり、種小名全体で 「白い帯を持った」 という意味になり、本種の鞘翅にある白い横帯という最大の外見的特徴を正確に記述しています。

3) 命名者と年号 Bates, 1873

ヘンリー・ウォルター・ベイツ(Henry Walter Bates)は、19世紀のイギリスの昆虫学者・探検家です。アマゾン川流域での擬態の研究(ベイツ型擬態)で有名ですが、日本産の昆虫研究にも多大な貢献をしました。【記載文献】Bates, H. W. (1873) “On the Longicorn Coleoptera of Japan.” The Annals and Magazine of Natural History, Series 4, Volume 12.

和名の由来

「シロオビ(白帯)」「チビ(小型)」「ヒラタ(扁平な)」「カミキリ」という、本種の形態的特徴を簡潔に繋ぎ合わせた名称です。その小さな体格と、白い帯、そして平たい体型を的確に表しています。

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