シラオビゴマフケシカミキリは、日本に分布するカミキリムシ科フトカミキリ亜科モモブトカミキリ族に属する一種です。体長約5mm程度の小型種で、黒褐色の体色を基調に、上翅に白色の帯状斑および微小な白色斑を有する点が識別上の特徴とされています。広葉樹林を中心とした森林環境に生息し、成虫は樹幹や枯枝上で見られます。


基本情報
| 体長 | 4.8~9.0㎜ |
| 分布 | 北海道、本州、佐渡、四国、九州 |
| 食草・寄生植物等 | サワグルミ、オニグルミ、コバノヤマハンノキ、オヒョウ、エゾエノキ、ヤマグワ、イチジク、イヌビワ、タブノキ、フジ、ニセアカシア |
| 成虫出現期 | 5~9月 |
観察と撮影後記
体長が5mm程度の黒褐色の体は、野外で見つけるのが容易ではありません。本種を目的として探すよりも、他の10mmを超えるような比較的大型のカミキリムシを探している際に、その近くに静止しているのを発見する機会が多い傾向にあります。
学名について
シラオビゴマフケシカミキリ / Exocentrus guttulatus guttulatus Bates, 1873
1. 属名:Exocentrus(エキゾケントルス)
この属名は、ギリシャ語の2つの言葉に由来します。
“exo” (ἔξω):「外側の」「外へ向いた」を意味します。
“kentron” (κέντρoν):「刺(とげ)」「中心」を意味します。
カミキリムシの分類においては、前胸の側面に外側へ向かって突き出した鋭いトゲ(側棘)がある形態的特徴を指しています。
2. 種小名:guttulatus(グットゥラートゥス)
こちらはラテン語に由来する形容詞です。
“guttula“:「小さな雫(しずく)」あるいは「斑点」を意味します。
上翅に見られる細かな斑点状の模様(ゴマフ模様)を、小さな雫が散らばっている様子に見立てて命名されました。
3. 命名者と年号 Bates, 1873
ヘンリー・ウォルター・ベイツ(Henry Walter Bates):19世紀のイギリスの博物学者です。アマゾン川流域での調査や「ベイツ型擬態」の提唱で知られますが、日本の昆虫研究にも多大な貢献を残しました。記載文献:Bates, H.W. (1873) On the Longicorn Coleoptera of Japan. The Annals and Magazine of Natural History, (4) 12: 148–156, 193–201, 308–318, 380–390.
和名の由来
本種の和名は、その外見的特徴とサイズを組み合わせて構成されています。
シラオビ(白帯): 上翅の中ほどに見られる白い横帯模様に由来します。
ゴマフ(胡麻斑): 全体に胡麻を散らしたような細かな斑点模様があることを指します。
ケシ(芥子): ケシの実のように、非常に小型であることを意味する接頭辞です。
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