シラネヒメハナカミキリは、日本に分布するカミキリムシ科ハナカミキリ亜科ヒメハナカミキリ族に属する一種で、外見のみでの同定が難しい。主に山地帯の落葉広葉樹林環境に生息し、成虫は花上で観察されます。


基本情報
| 体長 | 5.7~13.0㎜ |
| 分布 | 本州(日光・帝釈山塊、上越・上越山塊、浅間山山域) |
| 食草・寄生植物等 | ナナカマド |
| 成虫出現期 | 6~8月 |
注)ヒメハナカミキリ属(ピドニア)を写真のみで完全に同定することは、本来非常に困難です。本記事では図鑑の記述に加え、採集地や個体の雰囲気を総合して判断しておりますが、あくまで参考程度にご覧ください。もし明らかな誤りにお気づきでしたら、お手数ですが[こちらのメール]までご連絡いただけますと幸いです。ご協力に感謝いたします。
観察と撮影後記
本種は、いわゆる「ピドニア(ヒメハナカミキリ属)」らしい外見を備えた種です。この属の分類は非常に難解であり、外部形態のみでは同定が困難なケースも少なくありません。そのため、実務的には採集地点(産地)の情報を重要な判断材料として分類を行っています。
学名について
シラネヒメハナカミキリ / Pidonia (Pidonia) obscurior obscurior Pic, 1901
1. 属名:Pidonia(ピドニア) / 亜属名:Pidonia
この属名は、ギリシャ語の “πιδύω” (piduo) を語源としていると考えられています。
意味:「湧き出る」「噴き出す」あるいは「跳ねる」といった意味を持ちます。これは、この属の昆虫が花の上で活発に動き回る様子や、山間の渓流沿い(水が湧き出る場所)に多い生息環境を示唆しているという説がありますが、命名者による直接的な言及は乏しく、詳細は未解明な部分を含みます。
2. 種小名:obscurior(オブスクリオール)
こちらはラテン語に由来します。
語源:ラテン語で「暗い」「目立たない」を意味する形容詞 “obscurus” の比較級です。
意味:「より暗色の」「より黒っぽい」という意味になります。基亜種である本種が、近縁種や変種と比較して黒色の色彩が強い傾向にあることを指しています。
3. 命名者と年号 Pic, 1901
Maurice Pic (1901):モーリス・ピック。19世紀から20世紀にかけて活動したフランスの昆虫学者です。彼は生涯に数万種におよぶ甲虫を記載したことで知られています。記載書籍・文献:Pic, M. (1901) “Notes diverses et diagnoses.” L’Échange, Revue Linnéenne, 17: 17–20.
和名の由来
「シラネ(白根)」は、日光白根山や南アルプスの北岳(草津白根山など「白根」の名を冠する高山)など、本種が最初に確認された、あるいは多く生息する高山地帯の地名に由来すると考えられます。
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