シラハタリンゴカミキリは、カミキリムシ科フトカミキリ亜科トホシカミキリ族に属する一種です。主に山地から丘陵地の広葉樹林環境に生息し、成虫は関東、中部地方ではスイカズラ、東北地方ではヒョウタンボク類の葉を後食する。

基本情報
| 体長 | 12.9~19.1㎜ |
| 分布 | 本州(静岡県以北) |
| 食草・寄生植物等 | スイカズラ、ヒョウタンボク類(スイカズラ科スイカズラ属) |
| 成虫出現期 | 5~7月 |
観察と撮影後記
ニセリンゴカミキリに似ており、発生時期、寄生植物も同じです。
本種は、山形県出身の在野の昆虫研究者である白畑孝太郎(1914-1980)氏に献名されたカミキリムシです。白畑氏は警察官としての職務を全うする傍ら、半世紀以上にわたり独学で昆虫研究に打ち込み、多くの新種発見に寄与されました。
学名について
シラハタリンゴカミキリ / Oberea shirahatai K. Ohbayashi, 1956
1. 属名:Oberea(オベレア)
語源:この属名は、フランスの昆虫学者ムルサン(Mulsant)によって提唱されました。
意味:語源についての記述は諸説ありますが、命名者による直接的な説明が乏しく、語源としての明確な意味(ギリシャ語やラテン語の記述的意味)は詳細は未解明です。一般的には人名や神話に由来する固有名詞的な命名と解釈されることが多いですが、確実な知見はありません。
2. 種小名:shirahatai(シラハタイ)
語源:人名に由来します。
意味:本種のタイプ標本を採集し、日本の近代昆虫学に大きく貢献した昆虫研究者、白畑孝太郎(しらはた こうたろう)氏への献名です。人名(Shirahata)に、ラテン語の属格(所有を示す)接尾辞 “-i” を付加した構成になっています。
3. 命名者と年号 K. Ohbayashi, 1956
大林一夫(おおばやし かずお)氏。昭和期に活躍した日本のカミキリムシ研究家です。記載文献:Ohbayashi, K. (1956) New Cerambycidae from Japan (No. 4). The Entomological Review of Japan(昆虫学評論), 7(1): 13-16.
和名の由来
和名の「シラハタ」は、種小名と同様に山形県の昆虫研究者である白畑孝太郎氏の名に由来します。これに、本種が属する「リンゴカミキリ属」の呼称を組み合わせたものです。特定の地域で精力的に活動した個人の功績が、標準和名として固定された事例の一つです。
参考:以下は「白畑孝太郎の昆虫標本: 」から引用しました。
白畑孝太郎(1914-1980)は山形県南村山郡宮生村に生まれた。この蔵王の麓の豊かな自然の中で、幼少(1924年:大正13年)の頃より昆虫採集を始め、独学で昆虫の研究に打ち込んだ。21歳で警察官となり、職務の傍ら昆虫の調査研究を続け、酒田市において66歳で急逝するまでの半世紀余の間、多数の新種を発見・命名するなど近代昆虫学の発展に大きな足跡を残した在野の昆虫研究者である。
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