オオヨツスジハナカミキリは、日本に分布するカミキリムシ科ハナカミキリ亜科ハナカミキリ族の一種です。日本産のハナカミキリ類の中でも最大級の大きさを誇り、重厚感のある体躯と、種名に違わぬ力強い四本の筋状の斑紋が特徴です。主に山岳地帯のブナやモミなどが残る原生的な森林に生息し、真夏の盛りに各種の花を訪れます。

基本情報
| 体長 | 20.8~31.5㎜ |
| 分布 | 北海道、利尻島、本州、冠島(京都府)、安芸宮島(広島県)、四国、九州、向島(佐賀県)、屋久島、樺太 |
| 食草・寄生植物等 | 幼虫:モミ、ツガ、エゾマツなどの針葉樹、およびブナ、カシ、ナラ類などの広葉樹の朽ち木。 成虫:訪花性があり、リョウブ、ノリウツギ、カエデ類などの花の蜜や花粉。 |
| 成虫出現期 | 7~8月 |
観察と撮影後記
成虫はリョウブやノリウツギなどの白い花に好んで集まり、他のハナカミキリを圧倒する存在感を放っていますが、個人的にはあまりご縁がありません。過去、撮影した写真は、掲載する1枚のみです。
興味深い点は、斑紋の個体変異が極めて大きいことです。黄色い紋が広がり華やかに見える個体から、ほとんど全体が黒色に塗りつぶされたような個体まで実に多様です。このあたりのバリエーションについては、『日本産カミキリムシ大図鑑』(むし社)などを参照すると非常に分かりやすいです。
学名について
1. 属名:Macroleptura (マクロレプトゥーラ)
この属名は、2つの言葉を組み合わせて構成されています。
“macros” (μακρός):ギリシャ語で「大きい」を意味します。
“Leptura“:ハナカミキリ属を指し、その語源は「細い尾(痩せた姿)」を意味します。
つまり、属名全体で「大型のハナカミキリ」という意味になり、本種がハナカミキリ類の中でも際立って大きく、立派な体格であることを端的に表しています。
2. 種小名:regalis (レガリス)
こちらはラテン語に由来します。
意味:「王の」「王者にふさわしい」「堂々とした」という意味の形容詞です。
解説:その圧倒的なサイズ感と、美しくも力強い色彩が、まさに「ハナカミキリの王者」と呼ぶにふさわしいことから名付けられました。
3. 命名者と年号:(Bates, 1884)
Henry Walter Bates:19世紀後半に活躍したイギリスの著名な昆虫学者です。
1884年に本種を新種として世界に紹介しました。学名に括弧がついているのは、発表当初は Leptura 属として記載され、後の研究によって現在の Macroleptura 属へ再分類された歴史を示しています。
コメント