ニンフホソハナカミキリ / Parastrangalia nymphula (Bates, 1884)

ニンフホソハナカミキリは、日本全土に広く分布するカミキリムシ科ハナカミキリ族の一種です。非常に細身の体形と、花を訪れる可憐な生態が特徴とされています。山地のノリウツギやショウマ類の花の上でよく見られます。

ニンフホソハナカミキリ、自然写真1
2017年8月 山梨県北都留郡
ニンフホソハナカミキリ、自然写真2
2018年7月 山梨県南都留郡鳴沢村
ニンフホソハナカミキリ、自然写真3
2019年7月 山梨県北都留郡

基本情報

スクロールできます
体長8.1 ~13.3㎜
分布北海道、本州、佐渡、隠岐、四国、九州、五島列島(福江島)、下甑島
食草・寄生植物等各種の針葉樹および広葉樹
成虫出現期5~8月

観察と撮影後記

学名に nymphula(小さな妖精・ニンフ)とある通り、和名にもその名が冠されています。本種はハナカミキリの中でも特に細身で、花の上を軽やかに動き回る様子はまさに「ニンフ」を想起させたのかもしれません。

他目においても、例えば秋田県で絶滅危惧種に指定されているソトシロスジミズメイガ(Nymphula distinctalis)も学名にnymphulaとあり、飛び回る際に、触角の先が白く、可憐に見えたのかもしれませんが、こちらの和名には使われていません。

学名について

1. 属名: Parastrangalia (パラストランガリア)

ギリシャ語の接頭辞「para-(παρά:〜の側に、〜に似た)」と、近縁な属名である「Strangalia(ストランガリア)」の合成語です。Strangalia 属に近縁であり、形態的に類似していることを示唆しています。

2. 種小名: nymphula (ニュンフラ)

ラテン語で「小さなニンフ(妖精)」や「若い花嫁」を意味する nymphulanympha の指小辞)に由来します。本種の細身で優美な体形、あるいは花を訪れる生態的な美しさを象徴していると考えられます。なお、本種は日本に分布するものが基亜種(指名亜種)とされています。

3. 命名者と年号: (Bates, 1884)

命名者: Henry Walter Bates(ヘンリー・ウォルター・ベイツ)。19世紀のイギリスの博物学者であり、ベイツ型擬態の提唱者。記載文献: “Longicorn Beetles of Japan.” Journal of the Linnean Society of London, Zoology, 18: 205–262. (1884)

和名の由来

学名の種小名 nymphula をそのまま和訳的に取り入れたものと考えられます。「ニンフ(妖精)」+「ホソ(細い)」+「ハナカミキリ」という構成であり、本種の形態的特徴と学名の意味を忠実に反映した名称となっています。

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