ナガゴマフカミキリは、日本に広く分布するカミキリムシ科ゴマフカミキリ族の一種です。同属の中でも体が細長く、灰褐色の複雑な斑紋を持つことが特徴とされています。クヌギやエノキなどの広葉樹の枯れ木や伐採木によく見られます。



基本情報
| 体長 | 11.7~21.1㎜ |
| 分布 | 北海道、焼尻島、本州、飛島(山形県)、猿島・城ヶ島(神奈川県)、伊豆諸島(大島、利島、新島、式根島、神津島、三宅島、三宅島、八丈島)、栗島(新潟県)、佐渡、冠島(京都府)。隠岐、四国、壱岐、対馬、平戸島、五島列島(野崎島、中通島、福江島)、甑島列島、三島村(黒島)、種子島、馬毛島、屋久島、口永良部島 |
| 食草・寄生植物等 | 各種広葉樹、アカマツ(マツ科) |
| 成虫出現期 | 5~9月 |
観察と撮影後記
ナガゴマフカミキリはフトカミキリ亜科ゴマフカミキリ族に分類され、日本各地の広葉樹林で一般的に見られる種です。和名の通り細長い体躯と、樹皮に溶け込む複雑な斑紋を持ち、夜間には灯火へ飛来する性質があります。クヌギやエノキなど多くの広葉樹をホストとし、低地から山地まで幅広い環境で観察されます。
学名について
ナガゴマフカミキリ / Mesosa (Aphelocunemia) longipennis Bates,1873
1. 属名: Mesosa (メソサ)
ギリシャ語の「mesos (μέσος)」に由来し、「真ん中の」「中間の」という意味を持ちます。これは分類学的、あるいは形態学的に中位的な特徴を持つことに由来すると考えられます。
2. 亜属名: Aphelocunemia (アフェロクネミア)
ギリシャ語の「aphelos (ἀφελής)」(単純な、滑らかな)と「kneme (κνήμη)」(脛、すね)を組み合わせた造語です。脚部の形態的特徴を示唆しています。
3. 種小名: longipennis (ロンギペンニス)
ラテン語の「longus」(長い)と「pennis」(羽、翅)から成り立っています。和名の「ナガ(長)」と同様、本種の上翅が同属他種と比較して細長いことを強調した命名です。
4. 命名者と年号: Bates, 1873
命名者: Henry Walter Bates(ヘンリー・ウォルター・ベイツ)。19世紀のイギリスの博物学者であり、擬態の概念を提唱したことでも知られます。記載文献: “On the Longicorn Coleoptera of Japan.” The Annals and Magazine of Natural History, (4) 12: 312. (1873)
和名の由来
形態的特徴を直接的に表現した記述的な命名です。ナガ(長):同属(Mesosa属)および近縁のゴマフカミキリ類と比較して、体型および上翅が著しく細長いことに由来します。ゴマフ(胡麻斑):翅鞘(上翅)に黒色や褐色の細かな斑紋が散在する様子が「胡麻(ごま)を散らしたような斑紋(胡麻斑)」に見えることに由来します。
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