クスベニカミキリは、日本に分布するカミキリムシ科クスベニカミキリ族(Pyrestini)に分類されるカミキリムシの一種です。鮮やかな紅色の前翅と、円筒形の細長い体型が特徴です。成虫は訪花性(リョウブやノリウツギ)があります。


基本情報
| 体長 | 14.5~19㎜ |
| 分布 | 北海道、本州、粟島、佐渡、冠島、隠岐、四国、沖ノ島、九州、対馬、下甑島、種子島、屋久島 |
| 食草・寄生植物等 | タブノキ、ヤブニッケイ、オオバクロモジ、カゴノキ、アブラチャン |
| 成虫出現期 | 5~8月 |
観察と撮影後記
分布は北海道から九州、屋久島までに及びます。それより南の奄美大島にはアマミクスベニカミキリ、石垣島・西表島にはマツダクスベニカミキリが分布しています。
図鑑でその姿は知っていましたが、実物を初めて目にした際の感動は代えがたいものがあります。昆虫を忌避される方もいますが、このような機能美と色彩美を備えた造形に触れる機会が少ないことが、一つの要因かもしれません。
学名について
クスベニカミキリ / Pyrestes nipponicus Hayashi, 1987
1. 属名:Pyrestes(ピレステス)
この属名はギリシャ語の「pyrestes(πυρέστης)」に由来します。
語源:ギリシャ語で「火のような」「燃えるような」を意味します。
意味:本属の多くの種が持つ、鮮やかな赤色や紅色の体色を象徴しています。
2. 種小名:nipponicus(ニッポニクス)
こちらはラテン語に由来する形容詞です。
語源:Nippon(日本)+ 接尾辞 -icus(〜の、〜に属する)。
意味:「日本の」という意味であり、日本から記載された種であることを示しています。
3. 命名者と年号(Hayashi, 1987)
林 匡夫(Masao Hayashi): 20世紀を代表する日本のカミキリムシ研究者。多くの日本産カミキリムシを記載・分類しました。記載文献 Hayashi, M. (1987) “The Cerambycidae of Japan (Col.) (VIII)”. The Entomological Review of Japan, 42: 1-14.
和名の由来
クスベニカミキリ(楠紅天牛)
クス(楠): 主要な寄主植物である「クスノキ(楠)」に由来します。ベニ(紅): 成虫の体色が鮮やかな「紅色」であることに由来します。寄主植物と外見的特徴を組み合わせた、分類学的にも生態的にも整合性の高い名称となっています。
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