クロニセリンゴカミキリ / Eumecocera unicolor (Kano, 1933)

クロニセリンゴカミキリは、日本に分布するカミキリムシ科・トホシカミキリ族に属するニセリンゴカミキリ属の一種です。全身がほぼ単色で、ブナ帯から亜高山帯の広葉樹林に生息します。

クロニセリンゴカミキリ(Eumecocera unicolor)の自然写真・生態記録1
クロニセリンゴカミキリ(Eumecocera unicolor)の自然写真・生態記録2
クロニセリンゴカミキリ(Eumecocera unicolor)の自然写真・生態記録 ダニ
2018年6月  静岡県御殿場市 白い「ダニ」が付いております。

基本情報

体長8~12㎜
分布北海道、本州、四国、九州、対馬
食草・寄生植物等各種の広葉樹
成虫出現期5~8月

観察と撮影後記

写真では分かりませんが、美しい黒色のカミキリムシです。白い「ダニ」が付いておりますが、撮影の際には気づかきませんでした。

本種は、属名に「ニセ」を冠するニセリンゴカミキリ属(Eumecocera)に分類されます。和名の「ニセ(偽)」という表現は、既存の「リンゴカミキリ」に対して形態が類似しつつも異なる分類群であることを示す命名上の慣例によるものです。

学名について

クロニセリンゴカミキリ / Eumecocera unicolor (Kano, 1933)

1. 属名:Eumecocera(エウメコケラ)

ギリシャ語を語源とする2つの言葉から構成されています。

“eu-” (εὖ): 「真の」「良い」「発達した」を意味する接頭辞。
“mekos” (μῆκος): 「長さ」を意味します。
“keras” (κέρας): 「角(触角)」を意味します。

属名全体で、非常に長い触角」あるいは「立派な触角を持つもの」を指すと思われます。個人的には他属と比較して特別に触角が長い印象はありません。

2. 種小名:unicolor(ユニカラー)

ラテン語に由来します。

uni-“: 「一つの」を意味する連結フォルム。
color“: 「色」を意味します。

単一の色、つまり本種の体色がほぼ均一な体色を示すことに由来する名称です。

3. 命名者と年号 (Kano, 1933)

命名者は日本の昆虫学者である鹿野忠雄(Tadao Kano)です。とくに台湾および南方地域の昆虫相研究で知られます。1930年代に多数の昆虫を記載し、カミキリムシを含む多様な分類群で新種記載を行いました。記載文献: Kano, T. (1933) “New and unrecorded Longicorn-beetles from Japan, II.” Kontyû (Tokyo), 7(3): 130-140.

当初は別の属で記載されましたが、その後の分類学的再検討により現在の属に組み込まれたため、命名者と年号が括弧で囲まれています。

和名の由来

「クロ(黒)」は体色が黒色であることに由来し、「ニセリンゴカミキリ」はニセリンゴカミキリ属(Eumecocera)に属することに由来します。本属が「リンゴカミキリ」と外観が似ていながら別系統であることを示すための命名です。

 

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