キンケトラカミキリは、日本に分布するカミキリムシ科カミキリ亜科トラカミキリ族の一種です。和名の通り上翅に金色の微毛を密生しています。カエデ類、ミズキ、ガマズミ、クリなどの花上で見られます。

基本情報
| 体長 | 9.5~13.5㎜ |
| 分布 | 北海道、本州、粟島、佐渡、隠岐、四国、九州 |
| 食草・寄生植物等 | ケヤキ、エノキ、エゾヒノキの他、広葉樹、クズの枯れ蔓 |
| 成虫出現期 | 4~6月 |
観察と撮影後記
複眼に欠損があるからでしょうか。動きがなく、撮影には助かりました。目視で探すようになって、静止した個体は複眼が欠損したものが多いように感じます。
学名について
キンケトラカミキリ / Clytus auripilis Bates, 1884
1. 属名:Clytus(クリトゥス)
この属名は、ギリシャ語の “klytos” (κλυτός) を語源としています。
意味:「有名な」「高貴な」「顕著な」あるいは「優れた」を指します。トラカミキリ族の中でも、特に際立った色彩や模様を持つグループであることを示唆しています。
2. 種小名:auripilis(アウリピリス)
この種小名は、ラテン語の2つの言葉から構成されています。
“aurum“: 「金(ゴールド)」を意味します。
“pilus“: 「毛」を意味します。
つまり、種小名全体で「金の毛を持つ」という意味になり、本種の上翅を覆う最大の特徴である金色の微毛を直接的に表現しています。
3. 命名者と年号 Bates, 1884
Henry Walter Bates:19世紀のイギリスの昆虫学者・博物学者。アマゾン川流域での擬態(ベイツ型擬態)の研究で知られ、日本産の甲虫類についても多くの新種を記載しました。記載文献:Bates, H. W. (1884) “Contributions to our knowledge of the Longicorn Coleoptera of Japan.” Journal of the Linnean Society of London, Zoology, 18: 205–262.
和名の由来
キンケ(金毛)+ トラカミキリ
本種の体表、特に前胸背板や上翅に密生する金色の微毛に由来します。「トラカミキリ」は、トラカミキリ族(Clytini)に見られる特有の斑紋と、活発に動き回る性質から命名された族名に基づいています。
コメント