キボシチビカミキリは、日本に分布するカミキリムシ科フトカミキリ亜科シラホシサビカミキリ族アヤモンチビカミキリ属の一種です。体長約 6.0~10.0mm 程度と小型で、上翅には和名の由来となる黄白色の斑紋が散在し、複雑な斑紋パターンを形成します。主に針葉樹林に生息し、寄主植物であるモミやアカマツの枯れ枝や、それらが混交する林縁で見られます。

基本情報
| 体長 | 5.7~11.3㎜ |
| 分布 | 本州、四国、九州、天草諸島 |
| 食草・寄生植物等 | モミ、アカマツ |
| 成虫出現期 | 5~8月 |
観察と撮影後記
チビカミキリという名の通り小型の種ですが、上翅には暗褐色の地色に黄白色の斑紋が複雑に混じり、特有の質感を備えています。
本種はモミやアカマツを寄主植物としますが、野外では日陰にある乾燥した小枝に静止していることが多く、周囲の環境に同化しています。 非常に敏感で、わずかな振動でも枝から落下して擬死状態となるため、撮影に際しては身体が枝に触れないよう慎重なアプローチが求められます。
学名について
キボシチビカミキリ / Sybra (Sybra) flavomaculata Breuning,1939
1. 属名:Sybra(シブラ)
この属名の直接的な語源は詳らかではありませんが、チビカミキリ族の中でも非常に多くの種を含む広域分布属です。なお、Sybra (Sybra)」という表記は、カミキリムシの分類学上、「属名」と「亜属名」が共通していることを示しています。つまり、Sybra 属の中の、さらに Sybra 亜属というグループに分類される種であることを示しています。
2. 種小名:flavomaculata(フラヴォマクラータ)
ラテン語の2つの言葉から成り立っています。
“flavus“:ラテン語で「黄色い」「黄金色の」を意味します。
“maculatus“:ラテン語で「斑点のある」「汚れた」を意味します。 これらが組み合わさり、全体で「黄色い斑点を持つもの」という意味になります。 本種の上翅に見られる特徴的な黄白色斑を端的に示した命名です。
3. 命名者と年号:Breuning, 1939
Stephan von Breuning:20世紀を代表するオーストリアの昆虫学者。 フトカミキリ亜科の分類において、世界中の膨大な種を記載したことで知られます。記載文献:Breuning, S. (1939) “Novae species Cerambycidarum. VII.” Festschrift zum 60. Geburtstage von Professor Dr. Embrik Strand, 5: 144-290.
和名の由来
体表に「黄色い斑点(黄星)」を持つこと、および「チビカミキリ族」に属する小型の種であることに由来します。
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