カタシロゴマフカミキリは、日本に分布するカミキリムシ科フトカミキリ亜科ゴマフカミキリ族の一種です。和名の通り上翅の肩部分に明瞭な白斑を持つほか、体表全体に粗い長毛が直立して生えている点が、他のゴマフカミキリ類と区別する際の大きな特徴です。生息場所:平地から山地の広葉樹林に広く生息し、各種広葉樹の枯れ木や伐採木、貯木場などで頻繁に観察されます。

基本情報
| 体長 | 9.8~16.8㎜ |
| 分布 | 北海道、焼尻島、奥尻島、本州、伊豆諸島(大島、新島、式根島、三宅島)、佐渡、冠島、隠岐、四国、沖ノ島(福岡県)、高島(佐賀県)、九州、五島列島(中通島)、下甑島、種子島、口永良部島 |
| 食草・寄生植物等 | 幼虫:アカガシなど各種広葉樹およびマツ科の枯死材や朽ち木を摂食します。 成虫:寄主植物(広葉樹)の樹皮や枯れ枝 |
| 成虫出現期 | 6~10月 |
4亜種に分かれますが、のこりの3亜種は、対馬、女島、屋久島+種子島と地域によって分かれます。
観察と撮影後記
本種は樹皮に酷似した斑紋(隠蔽色)を持つため、静止している状態では(上記の写真の通り)発見が困難な場合もありますが、貯木場などの開けた場所にある枯死材には高密度で集まる習性があります。
学名について
1.属名: Mesosa (メソサ)
ギリシャ語の “mesos” (μέσος) に由来し、「中間の」「真ん中の」という意味を持ちます。
2.亜属名: Perimesosa (ペリメソサ)
接頭辞の “peri-” (周囲、~の近く) と属名を組み合わせたものです。
3.種小名: hirsuta (ヒルスタ)
ラテン語の “hirsutus” に由来し、「毛深い」「粗い毛のある」という意味の形容詞です。 本種の体表に生える目立つ長毛を的確に表しています。
4.命名者と年号: Bates, 1884
Henry Walter Bates (ヘンリー・ウォルター・ベイツ): 19世紀のイギリスの昆虫学者。アマゾン川流域の探検や「ベイツ型擬態」の発見で知られます。日本産のカミキリムシ相についても先駆的な研究を行い、多くの新種を記載しました。記載文献: “Longicorn Beetles of Japan”, The Journal of the Linnean Society of London. Zoology, Vol. 18, p. 244 (1884).
和名の由来
和名の「カタシロ(肩白)」は、左右の上翅の基部(肩の部分)に、粉をふいたような明瞭な白い斑紋があることに由来します。「ゴマフ(胡麻斑)」は、体表に黒や茶の細かな斑点が散らばり、胡麻をまぶしたような模様であることを示しています。
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