ホタルカミキリは、日本に分布するカミキリムシ科ホタルカミキリ族の一種です。ネムノキの伐採木でよく見られます。


基本情報
| 体長 | 7.2 ~10.0㎜ |
| 分布 | 北海道、本州、粟島、佐渡、冠島、隠岐、四国、九州、馬渡島、壱岐、対馬、五島列島(宇久島、中通島、福江島)、甑島列島 |
| 食草・寄生植物等 | ネムノキ、クヌギ、クワなど |
| 成虫出現期 | 4~7月 |
観察と撮影後記
本種は春から初夏にかけて、日当たりの良い林縁や伐採地で観察される、典型的な昼行性のカミキリムシです。前胸は赤色、上翅は青藍色を呈する美しい種として知られています。
成虫はモミジやクリなどの花を訪れるほか、広葉樹の衰弱木や伐採木にも集まります。なかでもネムを好み、素早く歩き回る活発な行動が観察されます。
学名について
ホタルカミキリ /Dere thoracica White,1855
1. 属名: Dere (デレ)
ギリシャ語の「dere(δέρη)」を語源とし、「首」または「喉(前胸部)」を意味します。本属の特徴である、色彩的に目立つ前胸部の形態的特徴に由来するものと考えられます。
2. 種小名: thoracica (トラキカ)
ラテン語で「胸部の」「胸の(thoracic)」を意味する形容詞です。属名と同様、本種の最大の特徴である鮮やかな赤色の前胸背板(thorax)を強調した命名です。なお、本種は日本に分布するものが基亜種(指名亜種)とされています。
3. 命名者と年号: White, 1855
命名者:Adam White(アダム・ホワイト)。19世紀スコットランドの動物学者で、大英博物館の昆虫部門で多くの新種を記載しました。記載文献:Catalogue of the coleopterous insects in the collection of the British Museum. Part VIII. Longicornia II. pp. 175-412. (1855)
和名の由来
ホタルカミキリは、前胸部が赤色、上翅が青藍色(ほぼ黒色に近い)という特徴的な配色を有しており、この色彩はホタル類、特にベイツ型擬態のモデルとなる種に類似しています。そのため、捕食者に対する警告色、あるいはベイツ型擬態として機能していると考えられ、こうした視覚的類似性に基づいて命名されたものと推察されます。
ムネが赤いムシは他にもムネアカクロジョウカイやムネアカクロアカハネムシがいます。
コメント