ヒシカミキリ/ Microlera ptinoides Bates,1873

ヒシカミキリは、日本に分布するカミキリムシ科シラホシサビカミキリ族の一種です。体長わずか数ミリという極小サイズに加え、飛翔能力を持たない特異な形態が特徴とされています。クリなど広葉樹の枯れ枝によく見られます。

ヒシカミキリ、自然写真、枯れ枝上での生態 ペア
2019年6月 神奈川県相模原市緑区
ヒシカミキリ、自然写真、枯れ枝上での生態2
2019年 7月 山梨県南巨摩郡身延町

基本情報

スクロールできます
体長3.2~4.6㎜
分布北海道、奥尻島、本州、佐渡、粟島、四国、九州、対馬
食草・寄生植物等クリ、ミズキ、フジなど各種広葉樹
成虫出現期5~7月

観察と撮影後記

ヒシカミキリは、フトカミキリ亜科シラホシサビカミキリ族に分類される日本固有の小型種です。後翅が退化して飛翔できないため、主な移動手段は歩行に限定されます。低地から山地の広葉樹林に広く生息し、特にクリやフジなどの枯れ枝に集まる習性があります。体長2.5〜5.0mmという小ささと、樹皮に擬態したような複雑な斑紋を持つため、撮影として、野外で見つけるは大変です。

学名について

ヒシカミキリ / Microlera ptinoides Bates,1873

1.属名: Microlera (ミクロレラ)

ギリシャ語の「micros(μικρός:小さい)」と、語源不明ながら他の昆虫の属名にも用いられる「lera」の合成語と考えられます。本属の個体が極めて小型であることを示唆しています。

2.種小名: ptinoides (プティノイデス)

ヒョウホンムシ属(Ptinus)を意味する語に、ギリシャ語由来の接尾辞「-oides(〜に似たもの)」を組み合わせたものです。本種の体型が太短く、背面が隆起している様子がヒョウホンムシ(Spider beetle)に似ていることに由来します。なお、本種は日本に分布するものが指名亜種とされています。

3.命名者と年号: Bates, 1873

命名者: Henry Walter Bates(ヘンリー・ウォルター・ベイツ)。アマゾン探検でも知られるイギリスの博物学者です。記載文献: “On the Longicorn Coleoptera of Japan.” The Annals and Magazine of Natural History, Series 4, Volume 12: 148–156, 193–201, 308–318, 380–390. (1873) ※本種は同論文の380ページにおいて、新属新種として記載されました。

和名の由来

「ヒシ(菱)」の由来については、その体型が菱形に見えること、あるいは水生植物のヒシの実に似た形態的特徴(背面が強く膨らんだ形状)から名付けられたものと考えられています。
 
 
 

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