ヒメクロトラカミキリ基亜種 / Rhaphuma diminuta diminuta (Bates, 1873)

ヒメクロトラカミキリは、日本に分布するカミキリムシ科トラカミキリ族ホソトラカミキリ属の一種です。小型で黒色の細長い体躯に、灰白色の繊細な紋様を持つことが特徴とされています。広葉樹の伐採木や各種の花などによく見られます。

ヒメクロトラカミキリ、自然写真
2018年4月 東京都町田市
ヒメクロトラカミキリ、花上
2025年4月 東京都東大和市

基本情報

スクロールできます
体長5.1~8.1㎜
分布北海道、本州、伊豆諸島、佐渡、隠岐、四国、女木島(香川県)、九州、壱岐、対馬、五島列島、種子島、屋久島
食草・寄生植物等スダジイ、オオバヤシャブ、タブノキなど
成虫出現期4~6月

観察と撮影後記

本種は日本各地の広葉樹林で見られる普通種です。日本国内には本基亜種のほかに、奄美諸島と沖縄諸島(沖縄本島)に分布する2亜種が存在します(合計3亜種)。基亜種は春から初夏にかけて活動が活発になり、各種の花や新鮮な伐採木の上で機敏に動き回る姿を観察できます。

学名について

ヒメクロトラカミキリ基亜種 / Rhaphuma diminuta diminuta (Bates, 1873)  

1. 属名: Rhaphuma (ラフマ)

ギリシャ語の「rhaphis(ῥαφίς:針)」を語源に持つと考えられています。これは、本属の個体が細長く、針のようにスリムな体型をしていることに由来します。

2. 種小名・亜種名: diminuta (ディミヌータ)

ラテン語の「diminutus(小さい、縮小した)」という形容詞の女性形です。同属他種と比較して小型であること、あるいは繊細な形態であることを示唆しています。なお、本個体は日本本土に広く分布する「基亜種(指名亜種)」であるため、種小名と亜種名が重なる三名法表記となります。

3. 命名者と年号: (Bates, 1873)

命名者:Henry Walter Bates(ヘンリー・ウォルター・ベイツ)。19世紀イギリスの博物学者で、アマゾン川流域での調査や「ベイツ型擬態」の提唱で著名です。記載文献: “On the Longicorn Coleoptera of Japan.” Annals and Magazine of Natural History, Series 4, Volume 12, pp. 193-201. (1873)

和名の由来

「ヒメ(小型の)」「クロ(黒色の)」「トラカミキリ(トラカミキリ族の)」という特徴を組み合わせたものです。トラカミキリ族の中でも特に小型で、地色が黒いことに由来します。

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