ヘリグロベニカミキリ / Purpuricenus (Sternoplistes) spectabilis Motschulsky, 1857

ヘリグロベニカミキリは、日本に分布するカミキリムシ科ベニカミキリ族の一種です。前胸、上翅が赤色で、上翅に小さな一対の黒紋があるカミキリムシ。稀に黒紋を欠く個体もいます。伐採木、ノリウツギ、カエデなどの花でよく見られます。

ヘリグロベニカミキリ、自然写真、生態2
2015年5月 神奈川県 相模原市緑区
ヘリグロベニカミキリ、自然写真、生態
2019年7月 山梨県山梨県北都留郡

基本情報

スクロールできます
体長12.6~19.0㎜
分布北海道、利尻島、奥尻島、本州、佐渡、隠岐、四国、九州、対馬、五島列島(野崎島、中通島)、種子島、屋久島
食草・寄生植物等イタヤカエデ、シロモジ、アブラチャンなど
成虫出現期4~7月

観察と撮影後記

本種は初夏を代表する美麗なカミキリムシであり、日当たりの良い広葉樹林の縁や伐採現場でその姿を確認することができます。前翅の紅色と黒色のコントラストは野外でも非常に目立ち、花の蜜を求めて飛来する様子も観察されます。近似種のベニカミキリとは、上翅には通常2つの黒点があること、毛深いこと、前胸の両側が黒く縁取られることなどで区別が可能です。

学名について

ヘリグロベニカミキリ /Purpuricenus (Sternoplistes) spectabilis Motschulsky, 1857

1. 属名: Purpuricenus (プルプリケヌス)

ラテン語の「purpureus(紫色の、真紅の)」を語源としています。本属の多くの種が鮮やかな赤色や紅色の前翅を持つことに由来します。

2. 亜属名: Sternoplistes (ステルノプリステス)

ギリシャ語の「sternon(胸、胸骨)」と「hoplistes(武装した者、重装歩兵)」の合成語です。胸部(前胸腹板)の形態的な隆起や突起などの特徴を指していると考えられます。

3. 種小名: spectabilis (スペクタビリス)

ラテン語で「目立つ」「壮観な」「注目に値する」という意味の形容詞です。本種の色彩が鮮やかで、野外において非常に目立つ存在であることを示しています。なお、本種は日本に分布するものが指名亜種とされています。

4. 命名者と年号: Motschulsky, 1857

命名者:Victor von Motschulsky(ヴィクトル・フォン・モチュルスキー)。19世紀のロシアの軍人であり、膨大な数の昆虫を記載した昆虫学者です。記載文献: “Études entomologiques,” 6: 25–41. (1857)

和名の由来

前翅(羽)の周囲(ヘリ)が黒色(グロ)であるという形態的特徴と、ベニカミキリ属の一種であることに基づいた命名であると推察されます。

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