ゴマダラモモブトカミキリは、日本に分布するカミキリムシ科フトカミキリ亜科モモブトカミキリ族に属する一種です。灰褐色地に白色斑を散在させ、後脚腿節が肥厚する点が識別上の特徴とされています。広葉樹の枯枝や伐採木、貯木場などで見られ、森林内の立枯木や倒木上にも生息します。


基本情報
| 体長 | 7.5 ~11.0㎜ |
| 分布 | 北海道、奥尻島、本州、佐渡、隠岐、四国、九州、屋久島、千島列島、樺太 |
| 食草・寄生植物等 | 各種広葉樹およびモミ、カラマツ(マツ科) |
| 成虫出現期 | 5~8月 |
観察と撮影後記
あまり多くありませんが、貯木場や伐採木の集積場所で材上を歩行する個体が見られます。一方、森林内では立枯木や倒木上で確認されますが、体色が灰褐色で斑紋も不規則なため、樹皮上では視認しにくいことがあります。上翅の斑紋や触角の色調が樹皮と近似し、背景に同化して見える場合があります。コマダラモモブトカミキリは4種いますが、ブナで見つけましたのでゴマダラモモブトカミキリとしました。

学名について
ゴマダラモモブトカミキリ / Leiopus stillatus (Bates, 1884)
1. 属名:Leiopus (レイオープス)
語源: 古代ギリシャ語の「leios(λεῖος:滑らかな)」と「pous(πούς:足)」の2つの言葉に由来します。
意味: 「滑らかな足」を意味しますが、これは本属の形態的特徴を指した命名とされています。
2. 種小名:stillatus (スティラータス)
語源: ラテン語の「stillatus」に由来します。
意味: 「滴(しずく)を落とした」「斑点のある」という意味の形容詞です。上翅に見られる特有の斑紋(ゴマダラ模様)を、液体の滴が散った様子に見立てたものと解釈されます。
3. 命名者と年号 Bates, 1884
Henry Walter Bates, 1884 (ヘンリー・ウォルター・ベイツ) 19世紀のイギリスの昆虫学者・博物学者。アマゾン川流域での採集調査や、擬態の一種である「ベイツ型擬態」の発見で知られます。記載書籍・文献 Bates, H. W. (1884) “Longicorn beetles of Japan.” Journal of the Linnean Society of London, Zoology, 18: 205–262.
和名の由来
「ゴマダラ」は上翅に散在する黒白の斑紋(胡麻斑)に由来し、「モモブト」は後肢の腿節が棍棒状に太く発達している形態的特徴に基づいています。これらの特徴を組み合わせた「ゴマダラ状の斑紋を持つ、腿の太いカミキリムシ」という記述的な命名です。
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