フタスジカタビロハナカミキリは、日本に分布するカミキリムシ科ハイイロハナカミキリ族の一種です。黄色く丸みを帯びた体型からキマルの愛称があり、初夏の山岳地帯に咲くヤマシャクヤクの花に見られます。



基本情報
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| 体長 | 12.9 ~18.1㎜ |
| 分布 | 本州、金華山(宮城県)、隠岐、島後(島根県)、四国 |
| 食草・寄生植物等 | ヤマシャクヤク、ベニバナヤマシャク |
| 成虫出現期 | 4~7月 |
観察と撮影後記
本種は中部地方以北の高冷地に生息し、初夏のわずかな期間にのみ出現します。愛好家の間では「キマル」の愛称で親しまれ、幼虫・成虫ともにヤマシャクヤク類に特異的に依存する生態を持ちます。成虫は花を後食、内部で吸蜜や交尾を行い、幼虫は土中の根茎を食べて育つ、生存基盤の極めて限定されたハナカミキリです。
学名について
1.属名: Brachyta (ブラキタ)
ギリシャ語の「brachys(βραχύς:短い)」に由来し、他のハナカミキリ類に比べて相対的に短く頑強な体型であることを示しています。
2.種小名: bifasciata (ビファスキアータ)
ラテン語の「bi-(2つの)」と「fasciata(帯のある)」の合成語で、上翅にある2本の横帯を指します。
3.亜種名: japonica (ヤポニカ)
「日本の」を意味し、日本産亜種であることを示します。
4.命名者と年号: (Matsushita, 1933)
命名者:松下真幸(Masamitsu Matsushita)。記載文献: “Beitrag zur Kenntnis der Cerambyciden des japanischen Reichs.” Journal of the Faculty of Agriculture, Hokkaido Imperial University, 34(2): 157–445. (1933)
和名の由来
特徴的な「2本の横帯(フタスジ)」と、属の特徴である「肩の張った(カタビロ)」形態に基づいた命名であると推察されます。通称の「キマル」は、その体色(黄色)と体型(丸い)に由来します。

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