フタオビアラゲカミキリ / Arhopaloscelis nipponensis (Pic, 1932)

フタオビアラゲカミキリは、日本に分布するカミキリムシ科アラゲカミキリ族の一種です。体表に生える長い立毛と、上翅にある2本の帯状の斑紋が特徴とされています。クヌギやコナラ、クリといった広葉樹の枯れ枝によく見られます。

フタオビアラゲカミキリ、自然写真
2017年7月  福島県南会津郡檜枝岐村
フタオビアラゲカミキリ、自然写真2
2019年7月 山梨県北都留郡山梨県
フタオビアラゲカミキリ、自然写真3
2023年7月 山梨県南巨摩郡身延町

基本情報

スクロールできます
体長4.5~8.0㎜
分布北海道、本州、伊豆諸島(大島)、粟島、佐渡、隠岐、四国、九州、千島列島、樺太
食草・寄生植物等各種広葉樹
成虫出現期6~8月

フタオビ(二つの帯)がいれば、ヒトオビ(一つの帯)もおりまして、そちらはヒトオビアラゲカミキリをご覧ください。

観察と撮影後記

上翅は赤味を帯びた灰褐色で、小楯板の周囲、側縁前方、中央後方に黒紋があります。本種は、貯木場での発見が少なく、主に山間部において、サワグルミ・オニグルミ・ミズキ等の各種広葉樹の枯枝・粗朶、アケビ・フジ等の枯れ蔓で見られます。上翅や触角に立毛(アラゲ)があります。

学名について

フタオビアラゲカミキリ / Arhopaloscelis nipponensis (Pic, 1932)

1.属名: Arhopaloscelis (アルホパロスケリス)

ギリシャ語の「a-(ἀ-:否定を示す接頭辞)」、「rhopalon(ῥόπαλον:棍棒)」、および「skelis(σκέλις:脚)」の合成語です。近縁の Rhopaloscelis 属に対して、脚部(特に腿節)の膨らみが顕著ではない、あるいは形態が異なることを示唆しています。

2.種小名: nipponensis (ニッポネンシス)

「日本産の」「日本に属する」を意味するラテン語です。本種が日本(Nippon)で採集された標本に基づき記載されたことに由来します。なお、本種は日本固有種として知られています。

3.命名者と年号: (Pic, 1932)

命名者は Maurice Pic(モーリス・ピック)。20世紀前半に活動したフランスの昆虫学者で、生涯に数万種におよぶ甲虫を記載したことで知られます。記載文献: “Nouveautés diverses.” Mélanges exotico-entomologiques, 60: 33. (1932) ※当初は Rhopaloscelis 属として記載されましたが、その後の分類学的検討により現在の属に移行されました。

和名の由来

本種の形態的特徴である「上翅にある2本の帯状の斑紋(二帯)」および「体表を覆う長い直立した毛(荒毛)」に基づいた命名であると推察されます。

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