フタオビアラゲカミキリは、日本に分布するカミキリムシ科アラゲカミキリ族の一種です。体表に生える長い立毛と、上翅にある2本の帯状の斑紋が特徴とされています。クヌギやコナラ、クリといった広葉樹の枯れ枝によく見られます。



基本情報
| 体長 | 4.5~8.0㎜ |
| 分布 | 北海道、本州、伊豆諸島(大島)、粟島、佐渡、隠岐、四国、九州、千島列島、樺太 |
| 食草・寄生植物等 | 各種広葉樹 |
| 成虫出現期 | 6~8月 |
フタオビ(二つの帯)がいれば、ヒトオビ(一つの帯)もおりまして、そちらはヒトオビアラゲカミキリをご覧ください。
観察と撮影後記
上翅は赤味を帯びた灰褐色で、小楯板の周囲、側縁前方、中央後方に黒紋があります。本種は、貯木場での発見が少なく、主に山間部において、サワグルミ・オニグルミ・ミズキ等の各種広葉樹の枯枝・粗朶、アケビ・フジ等の枯れ蔓で見られます。上翅や触角に立毛(アラゲ)があります。
学名について
フタオビアラゲカミキリ / Arhopaloscelis nipponensis (Pic, 1932)
1.属名: Arhopaloscelis (アルホパロスケリス)
ギリシャ語の「a-(ἀ-:否定を示す接頭辞)」、「rhopalon(ῥόπαλον:棍棒)」、および「skelis(σκέλις:脚)」の合成語です。近縁の Rhopaloscelis 属に対して、脚部(特に腿節)の膨らみが顕著ではない、あるいは形態が異なることを示唆しています。
2.種小名: nipponensis (ニッポネンシス)
「日本産の」「日本に属する」を意味するラテン語です。本種が日本(Nippon)で採集された標本に基づき記載されたことに由来します。なお、本種は日本固有種として知られています。
3.命名者と年号: (Pic, 1932)
命名者は Maurice Pic(モーリス・ピック)。20世紀前半に活動したフランスの昆虫学者で、生涯に数万種におよぶ甲虫を記載したことで知られます。記載文献: “Nouveautés diverses.” Mélanges exotico-entomologiques, 60: 33. (1932) ※当初は Rhopaloscelis 属として記載されましたが、その後の分類学的検討により現在の属に移行されました。
和名の由来
本種の形態的特徴である「上翅にある2本の帯状の斑紋(二帯)」および「体表を覆う長い直立した毛(荒毛)」に基づいた命名であると推察されます。
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