フタモンアラゲカミキリ / Rhopaloscelis maculatus Bates,1877

フタモンアラゲカミキリは、日本に分布するカミキリムシ科アラゲカミキリ族の一種です。上翅にある対になった班紋と、体表を覆う粗い毛が特徴とされています。多種多様な広葉樹の枯れ枝によく見られます。

フタモンアラゲカミキリ、自然写真
フタモンアラゲカミキリ、自然写真2
2019年8月 山梨県南都留郡

基本情報

体長3.5~6.0㎜
分布北海道、本種、四国、九州、奥尻島、冠島、隠岐
食草・寄生植物等各種の広葉樹
成虫出現期7~8月

観察と撮影後記

フタモンアラゲカミキリは、小形種ですが、全身の長い立毛と上翅後方の対紋により他種との識別は比較的容易です。広葉樹の枯れ枝を寄主とし、平地から山地まで広範囲に生息する普通種として知られています。夜行性が強く灯火に集まる一方で、日中も寄主植物の周辺でその姿を観察することが可能です。ただし、撮影のため、目視で探す場合、普通種とは思えません。

学名について

フタモンアラゲカミキリ / Rhopaloscelis maculatus Bates,1877

1.属名: Rhopaloscelis (ロパロスケリス)

ギリシャ語の「rhopalon(ῥόπαλον:棍棒)」と「skelos(σκέλος:脚)」の合成語です。本属の大きな特徴である、腿節(たいせつ)が棍棒状に強く膨らんでいる形態的特徴に由来しています。

2.種小名: maculatus (マクラータス)

ラテン語で「斑点のある」「汚れのある(spotted)」という意味の形容詞です。上翅に存在する一対の暗色斑紋を指しています。なお、本種は日本に分布するものが指名亜種とされています。

3.命名者と年号: (Bates, 1877)

命名者は Henry Walter Bates(ヘンリー・ウォルター・ベイツ)である 。ベイツは 19 世紀のイギリスを代表する博物学者・昆虫学者であり、アマゾンでの調査や「ベイツ型擬態」の提唱者として著名である 。彼は George Lewis が日本で採集した膨大な標本に基づき、数多くの日本産カミキリムシを記載した 。 記載文献:Bates, H.W. (1877) “Three new species of Longicorn Coleoptera from Japan.” The Entomologist’s Monthly Magazine, London, 14 (2): 37–38 。 その後、1884 年にはより包括的な報告である “Longicorn Beetles of Japan” (Journal of the Linnean Society of London, Zoology, 18: 205–262) において、再度本種についての言及がなされている 。

和名の由来

外見上の最大の特徴である、体表の粗い立毛(アラゲ)と、上翅後方に位置する一対の斑紋(フタモン)に基づいた命名であると推察されます。標準的な和名の付与ルールに基づき、形態的特徴が反映されていると思われます。

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