フタコブルリハナカミキリ / Stenocorus (Eotoxotus) caeruleipennis Bates, 1873

フタコブルリハナカミキリは、日本に分布するカミキリムシ科ハイイロハナカミキリ族の一種です。上翅の鮮やかな金属青色と、その基部にある一対の大きな瘤(こぶ)が特徴とされています。山地の広葉樹林に生息し、ノリウツギなどの白い花や、寄主植物であるミズキなどでも見られます。

フタコブルリハナカミキリ、自然写真
フタコブルリハナカミキリ、自然写真2
フタコブルリハナカミキリ、自然写真3
2019年7月 山梨県北都留郡

基本情報

スクロールできます
体長17~25㎜
分布北海道、奥尻島、本州、四国、九州、樺太
食草・寄生植物等ミズキ、ヤマボウシ(ミズキ科)
成虫出現期5~8月

観察と撮影後記

本種は、初夏から盛夏にかけて山地の広葉樹林で見られるハナカミキリの一種です。日中にはノリウツギやショウマ類などの白い花に訪れ、吸蜜する姿がよく観察されます。上翅は鮮やかな瑠璃色を呈し、基部に一対の顕著な瘤(こぶ)を備えるのが大きな特徴です。このため野外でも識別しやすく、その独特な形態と美しい色彩から、多くの愛好家に親しまれています。なお、本種はアオジョウカイへの擬態が指摘されていますが、実際に出会うたびに思わず嬉しくなるカミキリムシです。

学名について

フタコブルリハナカミキリ / Stenocorus (Eotoxotus) caeruleipennis Bates, 1873

1. 属名: Stenocorus (ステノコルス)

ギリシャ語の「stenos(στενός:狭い)」と「korys(κόρυς:兜・頭盔)」の合成語です。これは本属の頭部や前胸部の形状、あるいは全体的に細長い体型に由来するものと考えられます。

2. 亜属名: Eotoxotus (エオトクソトゥス)

ギリシャ語の「eos(ἠώς:夜明け、東の)」と、既存の属名である「Toxotus(トクソトゥス:弓兵の意、ハナカミキリ類の旧称)」を組み合わせたものです。アジア(東方)に分布するToxotusに近いグループであることを示唆しています。

3. 種小名: caeruleipennis (カエルレイペンニス)

ラテン語で「caeruleus(青い、紺青色の)」と「pennis(羽、翅)」を組み合わせた形容詞です。本種の最大の特徴である、金属光沢を帯びた美しい青色の上翅を直接的に表現しています。なお、本種は日本に分布するものが指名亜種とされています。

4. 命名者と年号: (Bates, 1873)

命名者: Henry Walter Bates(ヘンリー・ウォルター・ベイツ)。記載文献: “On the Longicorn Coleoptera of Japan.” The Annals and Magazine of Natural History, (4) 12: 193. (1873)

和名の由来

本種の上翅基部には、他の近縁種と比較しても極めて顕著な2つの突起が存在するという形態的特徴や、種小名(caeruleipennis=青い翅)が示す色彩に基づいた命名であると推察されます。

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