アサマヒメハナカミキリは日本に分布するカミキリムシ科ヒメハナカミキリ亜属のカミキリムシで、主に日本の高山帯や亜高山帯に生息します。

基本情報
| 体長 | 7.5~11.6㎜ |
| 分布 | 本州(東北地方中南部(北限:鳥海山~粟駒山)~中部山岳地帯の中北部(西限:福井県荒島岳) |
| 食草・寄生植物等 | 未知 |
| 成虫出現期 | 6~8月 |
注)ヒメハナカミキリ属(ピドニア)を写真のみで完全に同定することは、本来非常に困難です。本記事では図鑑の記述に加え、採集地や個体の雰囲気を総合して判断しておりますが、あくまで参考程度にご覧ください。もし明らかな誤りにお気づきでしたら、お手数ですが[こちらのメール]までご連絡いただけますと幸いです。ご協力に感謝いたします。
観察と撮影後記
本種は、かつてはカクムネヒメハナカミキリとして扱われていましたが、現在では触角が全体に黄褐色である点などを手がかりに区別されています。ただし、和名にある「アサマ」の由来とされる浅間山塊や奥日光周辺では、個体によっては触角が黒ずんで見えたり、斑状(ダンダラ状)に見えるものも報告されており、地域差や個体差の面白さを感じさせます。
落葉広葉樹林から針葉樹林帯にかけて観察され、一般には普通種とされていますが、実際には分布や個体数には地域差が大きく、場所によって印象がかなり異なるように思われます。
学名について
属名:Pidonia
Pidonia は、ギリシャ神話に由来する地名「ピドニア(Pidonia)」にちなむとされる属名です。
ハナカミキリ類では、こうした古典語や地名に由来する属名が多く見られ、本属名も特定の形態的特徴を直接表すものではありません。
なお、Pidonia (Pidonia) と属名と亜属名が重複して表記されているのは、本種が**基亜属(名義亜属)**に属することを示す、分類学上の正式な書き方です。
種小名:takechii
種小名 takechii は、人名に由来する献名(エポニム)です。
1986年に本種を新種として記載した窪木幹夫博士が、タイプ標本(新種記載の基準となる標本)を採集した武地秀行氏に敬意を表して命名しました。
記載者・記載年: Kuboki, 1986
本種は、1986年に窪木幹夫博士によって新種として記載されました。
なお、和名の「アサマ」は、基準産地(タイプ産地)が長野県と群馬県にまたがる浅間山(車坂峠)付近であることに由来します。
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