アカムネハナカミキリは日本に分布するカミキリムシ科ハナカミキリ亜科のカミキリム。前胸背のみが朱色で他は全て黒で和名の通りの姿をしています。
長野県川上村の産地が知られるまで(今でも一般には、ここしか知られていない)は最も珍品と言われていました。


基本情報
| 体長 | 11.0~16.7㎜ |
| 分布 | 本州(中央部) |
| 食草・寄生植物等 | クロツバラで見られる。他は不明 |
| 成虫出現期 | 6~8月 |
観察と撮影後記
本種の撮影を目的に、この場所を再訪しました(前回は2014年)。現在では鹿害対策として防護柵が設置されており、環境の変化も感じられます。この場所が今後も維持され、少なくともアカムネハナカミキリの生態が十分に解明されるまでは、自然公園や農地に改変されないことを願うばかりです。
なお、最初に本種を確認した思い出深い場所は、現在では探索意欲を失うほど荒廃していました。採集地自体は移り変わったものの、長年にわたり同一地域が産地として知られ、多くの採集者が毎年訪れているにもかかわらず、現在も少数ながら個体が確認されています。言うまでもなく、本種の存続には個体数以上に、生息環境そのものが強く関わっていることをあらためて実感しました。
なお、副産物としてヤツボシカミキリ・ハビロキンヘリタマムシの写真が撮れたのは良い想い出です。
学名について
1. 属名:Macropidonia
Macropidonia は、ギリシャ語の makros(長い・大きい)と、ハナカミキリ類を指す属名 Pidonia を組み合わせた名称です。
ハナカミキリ亜科の中でも、本属は脚や触角が細長く、全体にすらりとした体型をもつことが特徴であり、その形態的特徴をよく表しています。
2. 種小名:ruficollis
種小名 ruficollis は、本種の最も目立つ特徴である「赤い前胸部」に由来します。
- rufus:ラテン語で「赤い」「赤褐色の」
- collis:ラテン語で「首」、転じて「前胸部」
これらを合わせた ruficollis は、「赤い胸をもつ」という意味となり、和名の「アカムネ(赤胸)」と完全に対応した命名です。
3. 命名者と記載年
命名者:Maurice Pic(モーリス・ピック)
記載年:1902年
モーリス・ピックはフランスの昆虫学者で、生涯にわたり膨大な数の甲虫類を記載したことで知られています。本種も1902年に彼によって記載され、その学名が正式に発表されました。
追記 ここはヒオウギアヤメの自生地です。
アカムネハナカミキリの発生時期とも一致しています。通行の際は注意してください・お願いします。

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