オオヒメハナカミキリは、日本に分布するカミキリムシ科ハナカミキリ亜科ヒメハナカミキリ族ヒメハナカミキリ属の一種です。ヒメハナカミキリ属(ピドニア)の中では大型です。主に山岳地帯のブナ林などの落葉広葉樹林に生息し、各種の花に集まります。



基本情報
| 体長 | 9.0~14.5㎜ |
| 分布 | 北海道(渡島半島?)、本州、四国、九州 |
| 食草・寄生植物等 | 幼虫:広葉樹(ブナ、カエデ類、ミズナラなど)の朽ち木 成虫:ノリウツギ、カエデ類、ショウマ類などの花の蜜や花粉 |
| 成虫出現期 | 5~8月 |
注)ヒメハナカミキリ属(ピドニア)を写真のみで完全に同定することは、本来非常に困難です。本記事では図鑑の記述に加え、採集地や個体の雰囲気を総合して判断しておりますが、あくまで参考程度にご覧ください。もし明らかな誤りにお気づきでしたら、お手数ですが[こちらのメール]までご連絡いただけますと幸いです。ご協力に感謝いたします。
観察と撮影後記
私自身がブナ林をこよなく愛していることもあり、数あるピドニア(ヒメハナカミキリ属)の中でも、本種は山地へ足を運ぶと一番よく見かける馴染み深い存在です。
彼らは産卵のために倒木にもよく集まりますが、やはりピドニアの仲間は「花」が一番似合うと感じます。そのため、今回の写真はあえて花に飛来した瞬間のものを選びました。
3. 学名について
オオヒメハナカミキリ / Pidonia (Pidonia) grallatrix (Bates, 1884)
1. 属名:Pidonia(ピドニア)
この属名は、ギリシャ語を語源としています。
“pidax” (πῖδαξ): 「泉」「源泉」を意味します。
由来:この属の仲間が、山間部の渓流沿いや湿り気のある森林など、水の豊かな環境によく見られることに由来すると考えられています。
2. 種小名:grallatrix(グララトリクス)
こちらはラテン語に由来する名称です。
“grallae“: 「竹馬」を意味します。
“grallator“: 「竹馬に乗って歩く人」を意味する名詞の女性形(-trix)です。
意味:全体で**「竹馬に乗ったもの」**という意味になります。本種が他の種に比べても際立って長い脚(歩脚)を持っている姿を、竹馬に乗っている様子に例えた非常にウィットに富んだ命名です。
3. 命名者と年号:(Bates, 1884)
Henry Walter Bates:19世紀後半に活躍したイギリスの著名な昆虫学者です。
明治初期の日本で採集された標本を研究し、1884年に本種を新種として記載しました。命名者と年号が括弧で囲まれているのは、発表当初は別の属(Grammoptera 属など)に分類されており、後に現在の Pidonia 属へ移されたことを示しています。
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