ウスイロヒメハナカミキリは、日本に分布するカミキリムシ科ハナカミキリ亜科の一種で、ヒメハナカミキリ属(Pidonia)に属します。全体に淡色で、名のとおり「薄色」の印象が強く、山地の林縁の花上などに現れます。

基本情報
| 体長 | 6.0 ~8.5㎜ |
| 分布 | 本州(日光山塊、中部山岳地帯) |
| 食草・寄生植物等 | 未知 |
| 成虫出現期 | 6~8月 |
注)ヒメハナカミキリ属(ピドニア)を写真のみで完全に同定することは、本来非常に困難です。本記事では図鑑の記述に加え、採集地や個体の雰囲気を総合して判断しておりますが、あくまで参考程度にご覧ください。もし明らかな誤りにお気づきでしたら、お手数ですが[こちらのメール]までご連絡いただけますと幸いです。ご協力に感謝いたします。
観察と撮影後記
一見すると、どこにでもいそうな印象のピドニアですが、実際の観察では意外に個体数が少なく、確認できたのは写真の1頭のみでした。ヒメハナカミキリ属は種数も多く、外見がよく似た種も多いため、野外では「普通種の一つ」として見過ごされがちですが、本種はその名のとおり全体に淡く、やや透明感を帯びた体色が印象的です。
体つきは細く華奢ですが、写真に収めた個体は角度や光の加減のためか、顔つきが思いのほか鋭く、やや凶暴にも見える表情でした。もちろん実際に攻撃的というわけではなく、複眼や大顎の陰影が強調された結果でしょう。それでも、「白」を基調とした穏やかな色彩と、鋭く見える顔貌との対比には、思いのほか大きなギャップを感じました。
学名について
1)属名:Pidonia(ピドニア)
語源については明確な定説はありませんが、ヒメハナカミキリ類をまとめる属名として用いられています。
2)種小名:pallida(パッリダ)
ラテン語 pallidus に由来し、「青白い」「淡い色の」「蒼白な」を意味します。本種の全体に淡色な体色を的確に表した名称です。
3)命名者と年号:Ohbayashi et Hayashi, 1960
大林一夫氏と林匡夫氏により1960年に記載されました。