サキシマアトモンチビカミキリ / Sybra mimogeminata Breuning & K. Ohbayashi, 1964

サキシマアトモンチビカミキリは、日本国内では先島諸島(石垣島、西表島、与那国島など)に分布する、カミキリムシ科フトカミキリ亜科シラホシサビカミキリ族アヤモンチビカミキリ属の一種です。体長は約5〜8mmと小型で、上翅の後半部に明瞭な一対の白斑(後紋)を持つ点、および近縁種と比較して体型がやや細長い点が特徴です。平地から山地の林縁や海岸沿いの低木林に生息し、広葉樹の枯れ枝や、それらが堆積した粗朶(そだ)に見られます。

サキシマアトモンチビカミキリ、自然写真、広葉樹の枯れ枝に静止
2018年4月 沖縄県西表島

基本情報

体長5.0-8.3mm
分布先島諸島、魚釣島
食草・寄生植物等アコウ、ガジュマル、イヌビワ、クロツグ、オオハマボウ
成虫出現期4~12月

観察と撮影後記

本種は先島諸島に分布する種で、低地から山地にかけてみられます。本属他種と同様に体サイズは小さく、周囲の環境に溶け込みやすいため、肉眼での発見は容易ではありませんでした。分布域は南西諸島に限られており、地域性の強い種とされています。

学名について

サキシマアトモンチビカミキリ / Sybra mimogeminata Breuning & K. Ohbayashi, 1964

1. 属名:Sybra (シブラ)

由来: 命名者であるFrancis Polkinghorne Pascoe (1865) による記載。語源については、ラテン語やギリシャ語の古典語に直接該当する単語がなく、原記載においても明示されていません。昆虫学における属名には、地名や人名を由来とするものや、既存の単語を組み合わせた造語が多く、本属名も独自の固有名詞として扱われています。

亜属: Sybra (Sybra) 亜属に分類されます。

2. 種小名:mimogeminata (ミモゲミナータ)

由来: ギリシャ語を語源とする連結辞 “mimo-“(「模倣する」「〜に似た」の意)と、近縁種の種小名である “geminata” を組み合わせたものです。

mimos (μῖμος): 「模倣者」「俳優」を意味します。

geminata: ラテン語で「対になった」「二重の」を意味し、ここでは先行して記載されていた Sybra geminata という種に極めてよく似ていることを示唆しています。

3. 命名者と年号 Breuning & K. Ohbayashi, 1964

Stephan von Breuning(オーストリアのカミキリムシ学者)と大林一夫(日本のカミキリムシ研究家)の共同命名です。記載文献:Breuning, S. & Ohbayashi, K. (1964) “Nouveaux Lamiaires du Japon (Col., Cerambycidae)”. Bulletin of the Japan Entomological Academy, 1(6): 27-30.

和名の由来

サキシマアトモンチビカミキリ
サキシマ(先島): 分布域である先島諸島(石垣島、西表島、与那国島など)に由来します。
アトモン(後紋): 上翅の後方に白い紋があるという形態的特徴に由来します。
チビ(禿び/小): 体長が小さく、寸詰まりな体型であることを示す分類群(チビカミキリ族)の名称です。

  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする