ニセフタオビノミハナカミキリは、日本に分布するカミキリムシ科ハナカミキリ族の一種です。黄褐色の翅に黒い帯模様を持つ、非常に小型な体躯が特徴とされています。山地の花で見る事ができます。



基本情報
| 体長 | 5.1~7.9㎜ |
| 分布 | 本州(東北地方~中部山岳地帯) |
| 食草・寄生植物等 | 未知 |
| 成虫出現期 | 6~8月 |
注)ヒメハナカミキリ属(ピドニア)を写真のみで完全に同定することは、本来非常に困難です。本記事では図鑑の記述に加え、採集地や個体の雰囲気を総合して判断しておりますが、あくまで参考程度にご覧ください。もし明らかな誤りにお気づきでしたら、お手数ですが[こちらのメール]までご連絡いただけますと幸いです。ご協力に感謝いたします。
観察と撮影後記
ニセフタオビノミハナカミキリは、フタオビノミハナカミキリより標高の高い場所に生息する小型のハナカミキリです。花上での活動が活発に観察されます。近似種との識別には前胸の点刻や光沢の確認が必要ですが、他のヒメハナカミキリに比べて脚が短く、体がラグビーボールのようにがっしりしているのが特徴です。その中でも、背中(前胸)がツルリと光って見えればニセフタオビ、ザラついて見えればフタオビ、と覚えるのが野外での識別の近道かもしれません。
二つの亜種に分かれています。
ニセフタオビノミハナカミキリ 基亜種 / Omphalodera testacea testacea (Matsushita, 1933)
ニセフタオビノミハナカミキリ 中部地方北域亜種(飛騨山脈、北信越) / Omphalodera testacea sawadai Kuboki, 2024
学名について
ニセフタオビノミハナカミキリ / Pidonia (Omphalodera) testacea (Matsushita, 1933)
1. 属名: Pidonia (ピドニア)
ギリシャ語の「piduo(πηδύω:湧き出る、跳ねる)」を語源とすると考えられています。これは、本属の昆虫が花の上などで非常に活発に動き回る様子、あるいはその多様な種が次々と現れる様子に由来すると推察されます。
2. 亜属名: Omphalodera (オムファロデラ)
ギリシャ語の「omphalos(ὀμφαλός:へそ、中心)」と「dere(δέρη:首、前胸)」の合成語です。前胸背板の形状や中央部の構造的特徴を指しています。
3. 種小名: testacea (テスタケア)
ラテン語で「煉瓦色の」「土器色の(淡黄褐色)」を意味する形容詞です。本種の上翅の地色が明るい黄褐色(テストセウス色)であることに由来します。なお、本種は日本固有種として扱われ、指名亜種のみが知られています。
4. 命名者と年号: (Matsushita, 1933)
命名者:松下 真幸(Masatoshi Matsushita)。昭和初期に活躍した日本の昆虫学者で、日本産カミキリムシ科の分類体系構築に大きく貢献しました。記載文献: “Beitrag zur Kenntnis der Cerambyciden des japanischen Reichs.” Journal of the Faculty of Agriculture, Hokkaido Imperial University, 34(2): 157–445. (1933)
和名の由来
「フタオビノミハナカミキリ(P. puziloi)」に極めて外見が似ていることから「ニセ(偽)」を冠し、ノミのように太短い体形のハナカミキリであることを意味しています。。
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