ニイジマトラカミキリ / Xylotrechus (Xylotrechus) emaciatus Bates, 1884

ニイジマトラカミキリは、日本に分布するカミキリムシ科トラカミキリ族の一種です。属内でも際立ってスリムな体躯と、トラカミキリ特有の黄色い帯模様が特徴とされています。クヌギやコナラなどの広葉樹の伐採木や立ち枯れなどによく見られます。

ニイジマトラカミキリ、自然写真、生態 ペア
2019年8月 山梨県北都留郡
ニイジマトラカミキリ、トラカミキリ族、広葉樹の樹幹にて
2025年6月 東京都八王子市高尾山

基本情報

体長7.0~15.2㎜
分布北海道、本州、佐渡、四国、九州、対馬、甑島列島(下甑島)、屋久島
食草・寄生植物等各種広葉樹 カラマツの記録もあるそうです。
成虫出現期6~9月

観察と撮影後記

ニイジマトラカミキリは、日本各地の広葉樹林に広く分布するトラカミキリの一種です。本種の和名に冠されている「ニイジマ」は、北海道帝国大学の教授であり、日本の造林学・森林保護学の礎を築いた新島善直(にいじま よしなお)博士への献名に由来します。

新島博士は1871年に東京で生まれ、札幌農学校(後の北海道帝国大学)にて森林保護や造林の研究に尽力されました。

以下はウィキペディアからの引用

新島善直(にいじま よしなお、1871年7月23日(明治4年6月6日) – 1943年2月7日)は北海道帝国大学の教授
幕府直参の新島善之の長男として東京府小石川に生まれた。中村正直の同人社に学び、1888年に駒場の農科大学予科に入学し、1889年赤坂日本基督教会でヒュー・ワデルから洗礼を受ける。農科大学では林学を専攻し、助手として残る。

1899年札幌農学校に森林科が設置されると教授として招聘される。1905年からドイツのギーセン大学で造林学、森林学を学び学位を取得する。1908年エーメルと結婚し帰国する。

帰国後、北海道帝国大学農科大学林学科の初代教授として1933年まで務め、造林学、森林保護学、森林美学などを教えた。また、北海道の森林保護に尽力した。

また、札幌北一条教会の長老として林竹治郎らと共に教会を支えた。北大を退任後に北星女学校(北星学園)の校長として女子教育に従事する。

学名について

ニイジマトラカミキリ / Xylotrechus (Xylotrechus) emaciatus Bates, 1884

1. 属名(および亜属名):Xylotrechus(キシロトレクス)

この属名は、ギリシャ語を語源とする2つの言葉から成り立っています 。

  • “xylo-” (ξύλον):「木」「木材」を意味します。
  • “-trekhos” (τρέχω):「走るもの」を意味します。 つまり、属名全体で 「木を走るもの」 という意味になります 。これは、トラカミキリ類が伐採木や樹幹の上を非常に素早く動き回る生態を的確に表現しています。

亜属名と指名亜種の背景

本種の学名は Xylotrechus (Xylotrechus) emaciatus と表記されます。属名と亜属名が同一であるのは、本種が Xylotrechus 属の基準となるグループ(指名亜属)に分類されているためです。

2. 種小名:emaciatus(エマキアトゥス)

こちらはラテン語に由来する形容詞です

  • “emaciatus”:ラテン語で 「やせ細った」「衰弱した」 という意味です。 本種がトラカミキリ属の中でも特に細長く、スマートな体型をしているという最大の特徴を強調した命名となっています 。

3. 命名者と年号:(Bates, 1884)

命名者: Henry Walter Bates(ヘンリー・ウォルター・ベイツ)。19世紀のイギリスの博物学者であり、擬態の一種である「ベイツ型擬態」の提唱者としても知られます 。記載文献: “Longicorn Beetles of Japan.” Journal of the Linnean Society of London, Zoology, 18: 205–262. (1884)

和名の由来

日本の森林保護学の先駆者である新島善直(にいじま よしなお)博士への献名です。新島博士が北海道帝国大学で森林保護学の初代教授として尽力し、多くのカミキリムシ類の研究を支えた功績を称えて名付けられました。

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