チャボハナカミキリは、日本に広く分布するカミキリムシ科ハナカミキリ族の一種です。小型で黒っぽい体つきが特徴とされています。初夏から夏にかけて、山地のウツギやノリウツギなどの花の上で見られます。



基本情報
| 体長 | 5.1~7.4㎜ |
| 分布 | 本州、隠岐、宮島、四国、九州、下甑島 |
| 食草・寄生植物等 | 未知 |
| 成虫出現期 | 6~8月 |
観察と撮影後記
チャボハナカミキリは、ハナカミキリ亜科の中でも比較的小型な種であり、その控えめな姿が名前の由来(チャボ=小柄なもの)を連想させます。本種は日本各地の広葉樹林に広く分布しており、特に白い花を咲かせる樹木の上で他のハナカミキリ類と共に観察されることが多い種です。
本種には、日本本土に分布する指名亜種チャボハナカミキリ(Pseudalosterna misella misella)のほかに、対馬産の亜種ツシマチャボハナカミキリ(Pseudalosterna misella malthinoides)が知られています。
学名について
1. 属名: Pseudalosterna (プセウダロステルナ)
この属名は、ギリシャ語の接頭辞 “pseudes” (ψευδής)(「偽の」「〜に似た」)と、近縁な属名である “Alosterna” を組み合わせたものです。つまり、「アロステルナ属に似たもの」という意味を持ちます。
2. 種小名: misella (ミセラ)
ラテン語の形容詞 “misellus“(「哀れな」「小さな」「取るに足りない」)に由来します。本種が小型で目立たない姿をしていることを反映した命名と考えられます。
3. 指名亜種(種小名と亜種名が重なる背景)
本種において、最初に記載された個体群(本土産)は “Pseudalosterna misella misella” と表記されます。これは、後に別亜種(対馬産の malthinoides など)が記載された際、国際動物命名規約に基づき、最初に学名が与えられたグループを区別するために、種小名を繰り返して表記する「自動名(autonym)」のルールに従ったものです。
4. 命名者と年号: (Bates, 1884)
命名者: Henry Walter Bates(ヘンリー・ウォルター・ベイツ)。19世紀のイギリスの博物学者であり、擬態の一種である「ベイツ型擬態」の提唱者としても知られます。記載文献: “Longicorn Beetles of Japan. Additions, chiefly from the researches of Mr. George Lewis; and notes on the geographical distribution.” Journal of the Linnean Society of London, Zoology, 18: 205–262. (1884)
和名の由来
チャボ=小柄を連想させますが詳細不明。
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