チャイロヒメハナカミキリ / Pidonia (Mumon) aegrota aegrota (Bates, 1884)チャイロヒメハナカミキリ

チャイロヒメハナカミキリは、日本に広く分布するカミキリムシ科ヒメハナカミキリ族(ヒメハナカミキリ属)の一種です。他のヒメハナカミキリ類と異なり、上翅に斑紋がなく全身が淡い茶色をしているのが特徴とされています。低地から高山まで、初夏の山間部の花上でよく見られます。

2015年8月 長野県松本市安曇上高地
チャイロヒメハナカミキリ(Pidonia aegrota)、自然写真1
2019年7月 長野県伊那市北沢峠
チャイロヒメハナカミキリ(Pidonia aegrota)、自然写真2
2021年7月 長野県松本市安曇上高地

基本情報

スクロールできます
体長 6.0~9.0㎜
分布本州、四国、九州、佐渡、隠岐、平戸島、天草下島、下甑島
食草・寄生植物等ヤシャブシ、ブナ、コナラ、ウワミズザクラ、イタヤカエデ、ヤマブドウ
成虫出現期 4~8月

学名について

チャイロヒメハナカミキリ / Pidonia (Mumon) aegrota aegrota (Bates, 1884)

1. 属名および亜属名:Pidonia (Mumon)

属名 Pidonia (ピドニア):ギリシャ語の「pidax(泉、湧き水)」に由来すると推測されますが、分類学上の明確な語源設定については諸説あります。

亜属名 Mumon (ムモン):日本語の「無紋(むもん)」に由来します。本種がヒメハナカミキリ属の中でも、翅に紋を持たない特徴を捉えて設定された日本固有の名称に基づく亜属名です。

2. 種小名および亜種名:aegrota

種小名 aegrota (アエグロタ):ラテン語で「病気の」「青白い」「淡い」を意味する形容詞 aegrotus に由来します。これは他のヒメハナカミキリ類に見られる鮮明な黒色斑紋がなく、全体が淡い褐色である色彩を表現したものと考えられます。

指名亜種(Pidonia (Mumon) aegrota aegrota):種小名と亜種名が重なるのは、その個体群が最初に記載された種(指名亜種)であることを示します。

3. 命名者と年号:(Bates, 1884)

命名者:Henry Walter Bates(ヘンリー・ウォルター・ベイツ)。19世紀のイギリスの博物学者であり、擬態の一種である「ベイツ型擬態」の提護者としても知られます。記載文献:”Longicorn Beetles of Japan.” Journal of the Linnean Society of London, Zoology, 18: 205–262. (1884)

和名の由来

全身が「茶色」一色であり、他のヒメハナカミキリにあるような紋がないため「チャイロヒメハナカミキリ」と呼ばれます。亜属名 Mumon (ムモン):日本語の「無紋(むもん)」です。
 

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