セミスジニセリンゴカミキリは、日本に分布するカミキリムシ科フトカミキリ亜科トホシカミキリ族ニセリンゴカミキリ属の一種です。各種広葉樹を寄主植物にし、成虫はハルニレやシナノキ、オオバボダイジュなどの生葉を後食します。

基本情報
| 体長 | 9.0~13.0㎜ |
| 分布 | 本州、四国、九州 |
| 食草・寄生植物等 | 各種広葉樹 |
| 成虫出現期 | 5~8月 |
観察と撮影後記
高尾山は多様な昆虫相が見られる場所で、本種のようなカミキリムシ類にも出会う機会があります。ただし撮影時には花を撮影していると受け取られることが多く、近寄ってこられる方が善意で虫を払ってしまう場合が多く、今回も2枚しか撮れませんでした。
掲載のブロイニングカミキリやヒゲナガシラホシカミキリ(紋が消失したもの)、またチチブニセリンゴカミキリにも似ています。
学名について
セミスジニセリンゴカミキリ / Eumecocera trivittata (Breuning, 1947)
1) 属名:Eumecocera (エウメコケラ)
この属名は、ギリシャ語に由来する言葉を組み合わせて構成されています。
“eu” (εὖ):「良い」「真の」「非常に」を意味する接頭辞です。
“mekos” (μῆκος):「長さ」を意味します。
“keras” (κέρας):「角」転じて昆虫の「触角」を意味します。
属名全体として、「非常に長い触角を持つもの」という意味を表しています。
2) 種小名:trivittata (トリヴィッタータ)
こちらはラテン語に由来します。
“tri-“:「3つの」を意味する数詞です。
“vittata“:「帯のある」「縞のある」を意味する形容詞です。
前胸背板に走る3本の縦条という、本種の色彩的特徴を的確に表現しています。
3) 命名者と年号:(Breuning, 1947)
Stephan von Breuning (シュテファン・フォン・ブロイニング)20世紀に活躍したオーストリアの昆虫学者です。生涯で数千種にも及ぶフトカミキリ亜科の新種を記載したことで知られています。本種は1947年に彼によって学術的に記載されました。Breuning, S. (1947) “Nouvelles formes de Longicornes du Musée de Stockholm.” Arkiv för Zoologi, 39A (6): 1–68.(ストックホルム博物館所蔵のカミキリムシの新形態について)この文献において、本種は当初 Stenostola trivittata として記載されました。その後、属の再検討を経て現在の Eumecocera 属に分類されています。
和名の由来
背中(前胸背板)に3本の筋(縦条)があることに由来します。「ニセリンゴカミキリ」は、リンゴカミキリ属(Oberea)に外見が酷似しているものの、分類学的には別属であることからこの名が付いています。
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