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遺言書とは

遺言書

遺言書と遺書とは違います。

遺書とは「僕は小説をかけなくなったから死ぬのだ」太宰治

のように、「理由」を書いたものです。

遺言書は「将来の財産管理」です。

遺言書のイメージが悪いのは、つい最近まで相続といえば長男が全てを相続しており、それほど、相続で問題が起こる事が無かったからだと思われます。

お客様で、ご両親の話を聞くと「テレビじゃあるまいし、そんな財産もないし・・」と取り合ってくれなかったり、子ども達に差をつけるなんて、そもそも出来ないと、相続ついては関心ないどころか、遺書と誤解して、気分を害するケースもあります。

ところが、相続については兄弟間は平等であり、また、相続となれば、お子様の配偶者、その方々の親戚なども複雑に絡んできてしまう事があります。相続は人生の中で何もしないでお金が入ってくるので、普通では思いもよならない言動や行動に辟易する話も、よく耳にします。

宜しければ少しお付き合いください。

(事務所相談でご希望の方へお分けしている相続テキストからの抜粋です)

1 そもそも遺言書の目的はなんでしょうか

遺言書を書く目的は何でしょうか?


遺言書が有効となる時点は、残念ながら遺言書をお書きになった方(被相続人といいます)が亡くなった時点から有効となります。


有効となった時点で貴方はこの世に存在しないわけですから、遺言書の目的は残された家族など(相続人といいます)のために書くという事になります。


遺言書が無い場合、法律的には貴方が亡くなった後は貴方の財産は全て相続人にあたる人、全員のものとなります。


被相続人である貴方がいないところで、貴方の財産がどのように分けられ、どう活用されるか実際に確認しようがありません。


例えば貴方のご自宅が意図した方へ相続されるかはどうかはわからないのです。


遺言書という貴方の意志表示がなければ、貴方の財産は相続人へ渡り、たとえば生前にお世話になった方へお礼として財産をお分けする事はできなくなります。


つまり相続人以外の方へのお礼という形での相続(この場合は遺贈といいますが)は出来ません。


また、自分の財産が自分を支えてくれた配偶者が一生困らない程度、十分にあったとしても本当に配偶者へその財産が相続されるかどうかは分かりません。


え?と思う方もいるかもしれませんが、意外と相続されないケースも多いのです。

遺言書を書く目的とは自分が亡くなった後、自分の財産をどのように分けるかに当たって、貴方の意志を確実に反映させるために書くものと言えます。


2 遺言書を書かない場合はどうなるでしょうか


遺言状がなければ、相続人が複数であれば、その方々の話し会い(いわゆる協議)によって財産の分配を決める事ができます。


こういった話をしますと、それは法定相続にしたがって分けるのですか?といった質問をよく受けますが、法定相続というものは、あくまで相続人の皆さんで相続財産を分けるにあたって、話合いがつかない場合に法律で定めるものと考えても良いと思います。


極端な場合、一人の方が全ての財産を相続しても、他の相続人の方々の了解があれば問題なく出来るのです。


相続財産が処分される優先順位は次の通りです。


(1)財産を残す人(貴方)の意思

(2)相続人同士の間での話し合い

(3)相続人同士の話し合いがまとまらない場合、法定相続する

したがって、必ずしも配偶者は2分の1といった(法定相続)決まった分け方をしなければならないわけではないのです。


法定相続とは遺産分割がうまくいかない場合の最後の砦とでも考えておけばいいものです。

ところが、最近は(3)の法定相続で財産を受けとる事が相続人の権利であるといった認識や土地などの財産価値の増加、家についての共同体意識が希薄になったせいで相続をめぐる様々なトラブルが発生するようになりました。

また、法定相続という計算の上では分けられる財産であっても、土地、家など分けられない財産を残された場合、その分割は大きな問題となってきます。


私は行政書士として相続相談を行なっておりますが、そのほとんどの質問、問合せが、相続が発生した後、どのように遺産を分けたらよいかといった、遺産分割協議に関するものです。


「子供たちは仲がいいから心配いらないよ」

と多くの方がおっしゃいます。


ところがいざ、遺産分割を行なうと表面上は何も問題がないようにみえても、ほとんどの方がなんらかの不満をもっています。


なぜでしょうか?

それは被相続人である貴方のご意思がわからないからです。残された相続人の方々は、それぞれの都合に良いように考えてしまいがちなのです。

たとえば、相続された方がお子様2人(長男と長女)だけの場合を考えますと、確かにお子様同士は仲が良く、お互いの立場を理解しており、話合いは比較的にうまくいくのですが、お子様には家族があります。


その家族の状態が、例えば、お嬢様の夫の事業が上手く行ってない場合や、長男のお子様(孫にあたります)が大学進学でお金が必要など、様々な事情があります。

お子様がお二人であっても、その配偶者や子供は遺産分割の協議を行なう立場ではありませんが、実際には関わってきますので、話し合いは実質的に四人、五人と増えてきます。


人数が増えるぶん、まとまりもそれだけ難しくなってきます。


しかも、他人同士の争いなら冷静になれても、兄弟間など親族間の争いは、醜くなりがちです。

繰り返しとなりますが、これらのトラブルの原因が財産を残す立場である(たとえば貴方)の最終意思がはっきりしていないために起こっています。


遺言書さえあれば多少の不満があっても「故人の意思」として諦めがつく場合が多いのです。


そのため最近では遺言書を残す方も次第に増えており、10パーセント程度は遺言書を残すようになったそうですが、まだまだ、少ないと言えます。

~~~~~~~~~~~~~~~~

ため息をおつきになった方もいらっしゃるかもしれません。

けれど、相続相談を行えば行うほど、相続の現実を目の当たりしては、誤解を受ける事を承知の上で、相続について一度は考えて欲しいと思います。

 それでは、もう少しく具体的に説明します。以下は相続の基礎知識からの抜粋です。

遺言執行人・贈与についても説明しております。

遺言

1 遺言


遺言とは、私有財産制の下、所有財産の処分の自由(人生最後の意思)を遺言者の死後にまで認める制度であり、円満な争いのない相続を実現するために、財産を整理し、そのわけ方を決めて、その意思表示をし、承継者を決めておく行為である。〔満15歳に達したものは誰でも遺言できる(民961)。〕


2 遺言とは何か

遺言はなぜ必要か・・・・

①どんなときに特に遺言が必要になるか

 A 子供がいないとき

 B 先妻の子と後妻

 C 内縁の妻がいる場合

 D 相続人がたくさんいる場合

 E 寄付する場合

 F 事業の継続

 G 障害者の子と介護の問題

②遺言に基づくトラブルの防止

 A 遺留分 

 B 付言事項

 (希望事項を記載することがよく行われているが、法的拘束力はない。しかし、相続人や利害関係人に対して、それなりの道義的意味を持つことが期待される)

 C 条件付き遺言、負担付き贈与

 D 夫婦相互遺言(遺言書は別々にする)

 E 遺言はいつでも取り消しまたは変更できる。

 F 日付の異なる複数の遺言書が存在し、前の遺言内容が後の内容と抵触する場合は遺言で前の遺言を撤回したことになる(民1023)。

3 遺言の方式

遺言の方式は次のようなものがある。

自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言、その他・・・緊急の時に作る特別方式(危急時の遺言と隔絶地の遺言)

1) 自筆証書遺言の作成方法及び注意事項

① あらかじめ財産目録を作る。

② 財産を贈りたい人を列挙する。

③ どの財産を誰に残すか、その分け方を決める。その際事業や財産運用の長期的展望を配慮する。

④ 遺言書の訂正の手順

間違えた部分を二重線で消し、その脇に正しい文字を書く。

訂正した箇所に署名の下に押したのと同じ印鑑で押印する。

遺言書の余白に、どの部分をどのように訂正、変更したかを付記し、その部分に署名する。

⑤ 出来れば遺言執行者を指定すれば登記などが容易になる。>>遺言執行者

2) 定められた方式上の要件の満足

① 遺言書の内容を全部自分で書くこと

② 遺言書の作成の日付を必ず書くこと

③ 氏名自署、押印  遺言の内容が法律解釈上誤解を招くおそれのない記載

3) 遺言の具体的作成要領

自筆証書

① ワープロ、パソコンはだめ(カーボン紙利用はよい)

② 用語、用字の制限なし。意味内容が正確に理解できること。

③ 用紙、筆記用具の制限はなし。但し鉛筆は使用不可。様式制限なし。表題と前文はあってもよいが、必ずしも必要ない。

④ 人の特定は、法定相続人は「妻 何 某」「長男 何 某」それ以外は特定に留意し、氏名のほか住所、年齢併記

⑤ 相続財産の特定と範囲(不動産、動産など)

⑥ 相続財産の処分の表現に注意(特定の人に「相続させる」「遺贈する」)

⑦ 遺言書を入れる封筒

4) 遺言書の開封及び検認手続き

5) 公正証書の作成手続

① 本人及び証人2人が公証人役場へ赴き、公正証書を作成する。

② 証人2人いない場合(要証人費用5,000~10,000円)

③ 費用(最寄りの公証役場で見積もってもらいましょう))

④ 持参する書類(遺言者の実印、印鑑証明書及び全部事項証明、不動産の全部事項証明書等)

なお、公証人の出張(病院・養護施設なども可)及び、何らかの理由で口がきけない人(筆談)での公正証書遺言作成もできます。※なお出張の場合、公正証書遺言作成費用が割高となります。


4  遺言執行者

遺言執行者は相続財産を管理し、財産目録を作成し、その他遺言の実現のために必要な一切の行為をする権利義務を有する(民1012)。 相続人もその執行を妨げることができないことから、遺言者そのものの代理人と言える。

5 遺言執行

遺言の執行は遺言内容を実現すること。被相続人の死亡後、遺言執行者は財産目録を調整する(民1011)。遺言執行者がいないとき、又はいなくなったときは、家庭裁判所は利害関係人の請求によってこれを選任することができる(民1010)。

 ○ 選任後の主な任務

1 不動産の遺贈の登記

2 預貯金の払戻手続き

3 遺言による認知(その就職の日から10日以内にその手続きをすることを要す。)

4 推定相続人の廃除又はその取り消しなど

6 遺留分

遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人のために法律上必ず留保されなければならない相続財産の一定割合をいう。

被相続人は自己の財産を遺言によって自由に処分できるのが原則。しかし一方において、被相続人の近親者の相続に対する期待を保護し、生活を保証する必要がある。例えば、愛人に全財産を残すという遺言を残した場合における妻子の保護などである。民法は、相続財産の一定の部分を一定範囲の遺族のために留保した。これが遺留分の制度である(民1028~1031)。

兄弟姉妹以外の相続人は、直系尊属のみが相続人であるときは、被相続人の財産の3分の1、それ以外の場合には2分の1を遺留分として主張できる(民1028)。

遺留分減殺請求権の消滅時効は自己の相続が開始したことを知ったときから1年であり、相続の開始を知らなくても、相続が開始したときから10年が経過するとその請求権は時効により消滅する(民1042)。

 但し、この請求権を行使するか否かは相続人の自由に委ねられている。

 生前贈与の「持戻(相続財産に算入される生前贈与)」は死亡前1年内のものに限られ、減殺請求はまず遺贈についてこれをなしてからでないと生前贈与についてなす事ができない(民1030,1033)。


 

贈与について



1 贈与とは、財産の所有者が特定の者へ財産を生前に譲渡する契約である。それには所有者と特定の者との間に承諾が必要である。


なお、現行税法では年間1人につき110万円。或いは「相続時精算課税」適用では、2,500万円(不動産購入時3,500万円)までは無税であるが、申告が必要である。

2 配偶者への贈与

結婚20年以上経過している配偶者から居住用不動産、それを取得する金銭の贈与を受けた場合は、贈与の価格から2千万円控除することができる。

3 負担付遺贈

「家をあげるから子供の面倒をみてくれ」というような場合が挙げられる。 受遺著が負担を実行しない場合は相続人が催催できる。それでも実行しない時は遺 贈の取り消しを家庭裁判所に請求できる。

4 死因贈与

死因贈与は、例えば、生前に「私が死んだらこの外車をあげよう」というような契約である。 死因贈与では、遺贈に関する規定が準用される。

5 受遺者の担保請求権

受遺者は、遺贈の弁済期が未到来の場合または停止条件付の遺贈において、その条件の成否が未定である時は、遺贈義務者に対して保証人を立てさせたり、質権・抵当権を設定するなど相当の担保を請求することができる。

遺贈の目的物が特定不動産であるときは、その目的物自体に対する質権・抵当権の設定や、始期付所有権移転請求権保全の仮登記を求めることができる。

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